そして僕は肉になった
TKMR
そして僕は肉になった
僕は肉。
名前も無ければ、ただの肉の塊。
何もない真っ白な道
僕が辿った跡は黒く淀んでいる。
神様は嘘つきだ
どこにも幸せなんて存在しない。
何もない真っ白な道
僕が辿る先には何もない。
この世が破滅に向かえば
嘘。
神様は僕の前に姿を現し
嘘。
僕を救い出してくれる
嘘。
でもね、
幸せになんてなれなかった。
ある大統領は言った
世界から核をなくそうと。
ある人々は信じて願った
世界が平和になることを。
盲目。
虚言。
喪失?
ある哲学者は言った
<肉>は素晴らしい概念だと。
人は身体があれば主観であり客観で
いることができる。
世界と繋がることができるのだと。
それが、素晴らしい案だとしても
身体を失った僕は仲間はずれ。
ひたひたと真っ白な道の上を歩く
身体を失った僕はどこへ向かえばいいのだろう。
ばらばらになった僕の身体は
半分は一瞬でとろとろに溶けて
残りはポップコーンのように弾け飛んだ。
熱いとか寒いとか感じる前に
僕は肉になっていたんだ。
真っ青な空から降ってきた絶望
赤く染まる視界、時は止まった。
僕は誰であったのか
何のために彷徨い続けてるのか。
誰かに見つけて欲しくて
ただひたすらに真っ白な道を歩く。
そして僕は肉になった TKMR @dousurutkmr
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