第33話 冬告げ

枯れ葉だと思ったそれは、

一枚のメモ用紙だった。


“冬が来た”


メモにはそう書かれていたけれど、私はなぜだか反発したい気分になる。


「来たのは春だ。冬じゃない」


そうウソブクと、

メモはひらひらと器用に宙へ舞い上がり、

まるで蝶みたいな不規則な動きで、

何処へともなく行ってしまった。

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