第15話 新着メール一件

 着信音がした瞬間、反射でメールを開いてしまった。文面はただ一言、『ごめん』。

 参ったな、と来た道を振り返る。


 財布が欲しかったのに、鞄に入っていたのはガラケーで。

 見知らぬ誰かの仲直りのチャンスを奪ってしまったことに対し後味の悪さを感じつつ、置き引きをやめる気はまったくなかった。

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