講義後半と質疑応答

 さて二次創作紹介の後は各種数値で見るカクヨム。これは恐らく第4回ユーザーミーティングで使われた資料と同じだと思われます。棒グラフ、円グラフ、折れ線グラフで、次の数値が示されました。


 ユーザー数、作品数の推移。月間PV数、UU数の推移……これらはカクヨム開始直後の2016年3月が突出。その後減少するも最近は徐々に増えている傾向にあります。

 アクセス媒体……スマホ6割、PC4割。

 男女比……男7割、女3割。

 ユーザー年齢分布、ジャンル別比率などは公式の第四回ミーティングレポートに書かれているので省略しますね。


 多様なジャンルの作品が書かれているのは当初の目的通りですが、それは逆に代表作がないことでもあります。全てのジャンルから大作が出現するのを切望している、とのことでしたが、それは難しいでしょうねえ。


 最後にカクヨムの特徴として、様々なコンテストが開催されている点を挙げていました。プロを目指す人向け、初心者向け、アイディア勝負。そしてカクヨム甲子園。この講義を聞いている生徒さんたちの誰かが参加してくれるといいなあと私も思いました。



 4 編集者の仕事とWeb小説


 中央公論新社時代は、


 1 誰に依頼をするか、本を読んだりして探す。

 2 決めた相手に原稿依頼、打ち合わせ。

 3 原稿受け取り、ブラッシュアップ作業。

 4 書籍形作り、関係各所をつなぐハブ作業、完成。


 という流れ。ただしこれはあくまでも書籍の編集で、雑誌の編集の仕事内容とはまったく別物とのことです。


 Web小説の時代になっても基本は同じ。1と2がWebからの発掘作業に変わるだけ。


 少し時間が押してきたので、この辺から駆け足。90分って思ったよりも短かいなあと感じました。



 5 カクヨムの目指すところ


 単なる小説サイトではなく、


 知の集積所「文章の総合アーカイブ」


 を目指しているようです。なんだか恰好いいですね。


 具体的には小説だけでなく、シナリオ、論文、資料、テキストなどなど、様々な文章を集めたいみたいです。う~む、一体どこへ流れ着くのでしょうね、カクヨム丸は。



 6 おわりに。あなたも今日から作家になれる


 ここはもう営業ですね。ユーザー登録のやり方を説明。そしてカクヨム甲子園の宣伝。希望者にはポスターも用意していますとのこと。どれくらいの高校生が参加してくれるのでしょうね。興味しんしんです。


 以上で講義は終了。次は質疑応答。まずは事前質問に答えます。


 問:カクヨムに参加していないカドカワの一般文芸との連携は?

 答:これからも深めていきたい。近々発表があるかも。


 問:魔法のiランドとの連携は?

 答:ターゲットがまったく違うので現在は考えていない。将来どうなるかは不明。


 問:教科書用コンテンツも作ってみては?

 答:検定の問題があるので容易ではない。できるといいなとは思う。

 

 ここで司会の生徒からお言葉。会場から質問を募るので挙手を依頼。


 最初の方の質問はよくわかりませんでしたのでパス。


 問:カクヨムのガラケー対応は?

 答:予定なし


 問:メディアミックスに長けているのはどの投稿サイトか?

 答:それはサイトではなく出版社に依存する問題。


 問:編集者はどんな目線で書籍化を考えるのか?

 答:ランキング上位だけを取るわけではない。下位も見る。他には読者の感想、売れ筋。そして一番大きいのは編集者の好み。


 問:縦読み機能実装の予定は?

 答:要望は多い。しかしまだ発表できる段階ではない。


 問:星を付け合う相互クラスタの対応は?

 答:難しい問題。きちんと読んでいるか否か判別できない以上、対応はできない。人に読んで欲しいという気持ちを潰せないし、一概に悪とも決めつけられない。


 次の方の質問もよくわからなかったのでパス。


 問:書籍化しにくい作品は?

 答:例えばあるあるネタとか、Web表現だから成り立つような、小説の枠組みに入らないものは難しい。ただし編集者が「イケる」と判断すれば書籍化されることもあるだろう


 問:Webと書籍の倫理ラインは?

 答:倫理規定はサイトによって違う。カクヨムではR18はNG。出版に関してもレーベル、対象読者によって違ってくる。


 以上で質疑応答は終わり。


 最後は再び司会の生徒の締めのお言葉で講座終了。


 お疲れさまでした。

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