俺の理性は持ちこたえられるのか?

3月に入り春の陽気も感じるがまだ肌寒く体がぶるりと震えて、とてつもなくお布団の中が気持ちよかった。

微かに聞こえる物音で目を覚ましたが、特に気にせずに再び眠りにつこうと頭まで毛布を被った。

「早く起きて! 吹雪 翼ちゃん!」

 早朝、誰かが俺の家に不法侵入したらしくしかも「ちゃん」付けで俺を呼びやがった。これ結構気にしているのに……

 そして目の前には、ツインテをぴょこぴょこと揺らす幼女(推定十二歳)が馬乗りで俺の顔を見つめていた。

黒を基調としたセーラー服に赤のタイ。スカートがとても短く今にもまくれ上がりそうでパンツが……とにかく見えそうで視線を斜めに逸らした。

目が素晴らしくエロいことになっていただろう。なんで俺の小汚い部屋にこんなに可愛い女の子が……

「あ…あの…一応男なんですけど……」

「ひゃぅっ、え、あ、あの……本当に?」

 大慌てで俺から飛び退いて目を泳がせながら俺の方を向いた。「ひゃう」とか可愛すぎだろうが。

「ああ、本当だ。それとも騙して、お前を犯したほうが良かったのか? 幼女ちゃんよう。」

「そ、そそ、そんなこと__って、幼女ではない。これでも十九歳なんだぞ! 今はこんなつるぺた童顔だけど、本来の姿なら巨乳のお姉さまなんだから!」

 ピンクのボーダー柄のパンツで大事な部分を隠している女がよく言うな。しかもパンツを丸出しになっていることをさっきから全然気づいていない。どうからかおうかな?

「俺、今日はピンクのボーダーパンツの女の子を犯したい気分なんだよ。」

「ふぇ? なんだいきなり?」

 きょとんと俺の方を見て視線に気づいたように頬を赤く染めた。

「お前見たな? わ、私の神聖なるおパンツを! もう怒ったぞ。絶対に許さないんだから」

 幼女は呪文らしきものを唱えたかと思うと俺のパジャマが紫色に光ったかと思うと粉々に砕け散った。

「……」

「うぁぁぁぁぁああああ」

「お前を犯してやる。このアリス様に犯されることを感謝しろよ」

 大ぶりの太刀が俺の首元に置かれ、血が滲んでいた。鬼のような形相で俺を見つめるアリスとやらは俺が怯えているのをただ見ているだけで、何故か殺そうとはしなかった。

「あらあら、もうアリスったら。本当は切れないくせに」

「お、お姉ちゃんなんでここにいるの? なんでここに__」

「頼りない可愛い妹のために来たんじゃないの。こんな糞童貞なんかちゃっちゃっと連れて来なさいよ」

 何なんだこいつらいきなり俺ん家に上がって俺を連れてこいだと? しかも童貞呼ばわりして酷い有様だわ。

 しかし童貞は事実だから何も言えん。

「おい、お前ら何かってに騒いでるんだ。出てけよ」

「え? 何言っているんですか? 翼ちゃん。だ~か~ら~、お仕事なんです!」

「ちゃんじゃねぇよって、へ? お、お仕事?」

「アリス、ちゃんと説明してなかったの? ほんとに使えないわね。これじゃあなんのための太刀かわからないわ。きちんと脅して連れてきてよ」

「お、脅すって。へ? 俺どうなんだよ?」

 お仕事とか、脅すとか何なんだこいつら。頭が逝かれてやがる。

 それにしても、このアリスの姉貴とやらは俺好みのストレートロングで艶やかな黒色の髪だった。胸は大きからず小さからずのちょうどいい大きさでそそられる。

 この姉妹、同じ学校なのだろうか? 黒いセーラー服に赤のタイを同様に身につけている。背が高くスラっとしていてとても美しい。

「なにお姉ちゃんをまじまじと見てるんだ。この変態!」

「うぐっ」

「まあいいじゃないの。私達は Audit corporationの者よ。まあ、端的にいうと今から会社に一緒に行くのですわ。ということで、一緒に行きましょう?」

「いや、何が一緒に行きましょうだ。会社は4月からだろ? 俺はまだお布団で寝ていたいし、社畜になんてまだぜってーなんねーぞ。てか何故に幼女が働いているんだよ。」

 アリスの姉貴は「ふーん」と俺を見ていて何も動揺もしていない。こんなに嫌がっているんだぜ? もうちょっと…こうなんかあっても………

「ひっ」

「これでもいやですの?」

 頭に銃を突きつけられ、手をとっさに上げた。トリガーをこのまま引かれたら即死だろう。

「連れていきますわよ? アリス」

「おーさっすがおねーちゃん!」

「これぐらいさっさとこなしなさい」

 冷ややかな目でアリスを見た姉貴に対してぐりんと一回転してツインテが新体操のリボンのようにぐりんとまわって、とてつもなく可愛かった。

 こんなに可愛い妹が欲しかったな。一人っ子の俺にも羨ましかった。しかし、姉貴が残念なんだが__


 そういや俺って、ロリコンだったけ?

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