第8話

じょんれのんのラインに剣城社長からメッセージが入った。


「こきもりんは赤井に渡しておいたよ。」

「よし!やった!さすが剣城のおっさん!」


数日後、メッセージが剣城社長から入った。


「引退するそうだ。」


じょんれのんはそのメッセージをしばらく眺めたあと、スマホを放り出し、天井を見つめた。


「歌........かあ。」


放り出したスマホを拾い、剣城社長にメッセージを打った。


「最後にきりんの為に歌ってもらえないか?」

「どういう積りだ。」

「俺、きりんの為にギター弾くから。最後に歌ってもらえないかな。きりんの為に。」

「聞いてみるけど、期待するな。彼女もつらいんだよ。」

「わかってるよ。」


じょんれのんはスマホを又、放り投げた。スマホが鳴っている。


「2週間後だ。よろしく。」


じょんれのんは、ウィスキーケトルを一口飲んで、立ち上がって窓を開けた。


「きりん、聞いているか?お前に聴かせてやるからな。最高の歌声を。」






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る