第4話

「阿弥陀如来様、観自在菩薩様、勢至菩薩様、僕が死んだのは分かりました。記憶は限定的でしか戻らない。で、どうなるんですか?」

「うむ。では、本題に入る。」

「はい!」きりんは大きく敬礼のポーズを取った。

「まず、ここは三途の川や。」

「えーーーーー!海やと思ってました!」きりんは大きく仰け反り、危うくボートから落ちそうになった。

「あのな。いちいちリアクションいらんから。ええから落ち着いて聞け。」


阿弥陀様は続けた。


「普通やったら、ここを渡って私の浄土で修行してから成仏となる訳やけど、お前はちょっと違うんや。」

「..............。」きりんはまゆげと口角を上げている。

「お前ここに来て、さっき夕陽が緑色に光ったの見たやろ。」

「..............。」きりんは視線を斜め上にあげている。

「あれはGreen Flashって言うてな、あれを見たものは幸せになれるって娑婆では言われてるけどな、こっちでは修行が必要ないって話になっとるねん。」

「..............。」きりんは口だけでヘえーーっと言う顔をしている。

「なあ、きりん。」

「..............。」きりんは黙ったまま、表情だけで「何か?」っという返事をした。

「お前絶対バカにしてるやろ。」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る