たとえばなし

「人間は誰だって光り輝く星なんだよ」

「その通り。まぁ、等級差はあるだろうし、誰にも光を届けられない星もあるのかもしれないけれど」


「人生は演劇だ。自らの人生の主人公は、自分自身。そして、主人公こそが、唯一自由に動かせるキャストなんだ」

「ああ、まったくその通り。この演劇の舞台は主人公のために造られていないのが狂おしいところだけれどね」


「お前はペシミストだな」

「君はロマンチストだね」


 そう言って、二人はおかしそうに笑い合った。

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