ストライキ

 彼らは長年の間、劣悪な環境に耐えてきた。

 しかし、もはや我慢ならない。今度という今度は、堪忍袋の緒が切れたというもの。何時までも虐げられているままでいるわけにはいかないのだ。

 彼らは、ついに団結してストライキを敢行することを決定した。


「我々を食い物にしやがって!」

「許せん。徹底抗戦だ!」


 ストライキを決行した彼らは、食事もとらず、座り込みを続けていた。これまで従順だった彼らの突然の反抗に、さしもの経営者たちも驚き、慌てた。

 しかし、経営者側としても彼らの要求に答えることはできない。

 外国産の製品との競合に勝つためには、これ以上コストを増やすことはできなかったのだ。







「…………養豚場の豚が、突如餌を食べなくなった、か」


 ニュースを見ながら、男は呟いた。


「豚肉の値段、あがってくのかなぁ……」



 豚料理が好きな彼にとっては、ちょっと切実なニュースだった。

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