第3話 公務員勉強の開始 2か月で受かるために

4月に会社を辞めると決意し、公務員になると決めて、5月のゴールデンウイークに公務員試験対策講座に申し込んだ。今年か来年受かるということで家族に約束していたが、僕は今年受かるしかないと考えていた。公務員試験はたいてい30歳までしか受験資格がなく、今年ダメだったら来年がラストチャンスになることを知ったからだ。でも僕が受けたい公務員試験は7月にあり、2か月ちょっとしか時間がなかった。しかも平日は仕事をしていたため休日しか勉強ができなかった。


「どうしたら2か月で公務員試験受かるんだろう…」


試験勉強をし始めると、試験範囲の広さに眩暈がしそうになった。数的推理、数学、英語、日本史、世界史、倫理、民法、憲法、…等々。


「全部勉強していたら間に合わない…」


そう判断した僕は、出題頻度が高い数的数理と大学入試センター試験で勉強した範囲に勉強範囲を絞り、あとの分野は勘でやると決意した。


センター試験で勉強範囲に関してはもうかれこれ数年勉強してないとはいえ、少し勉強すれば記憶が復活するだろうと考えてそういう戦略を取ることにした。

(結果的にこれが功を奏することになる。)


それから僕は平日は吐きそうになりながら業務を行い、休日は試験勉強することになった。休日は妻に実家に行ってもらい、勉強時間に充てさせてもらった。


休日は7時に起きて朝から公務員対策講座のDVDで学習し、10時から17時まで図書館。その後17時半から22時まで近くのカフェに行き勉強に没頭した。


トイレに行く時間を節約するため水分をなるべく取らないようにし、ご飯を食べる時間を節約するためにカロリーメイトをカバンに入れて勉強に文字通り没頭した。


「家族に不安な思いをさせる時間は短くしたい、なんとか人生を立て直したい。絶対に今年で合格する。」


という気持ちで1日15時間以上は勉強していた。勉強の試験を突破したら、面接試験は突破できるという自信があった。今思えば危なっかしい自信だったが、地元では有名な企業にいたこと、全国でもほどほど上位の大学出身ということが根拠であった。あとはこの地獄の部署で培った対人能力が、すこしばかり向上しているという実感があったからだ。


5月からは7月の公務員試験に受かるという目標に向かって、不安定な精神状況のまま猛烈に突き進んでいった。

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