第4話 ついに合格
7月に休職し、すぐに公務員試験がやってきた。案の定勉強していない範囲は何も分からないが、勉強した範囲についてはなんとか解くことができた。ただ自分と家族の人生がかかっている試験だったので、確実に解けた問題も何回も見直しし、何も勉強していないところも今までの知識でなんとか解けないか試行錯誤を繰り返した。確実に絶対にとりこぼしがないようにできる限りの努力をした。
その結果、筆記試験を通り、面接試験に進むことができた。面接試験については皮肉なことに、今いる部署で鍛えてもらったおかげで平常心で苦も無く乗り越えることができた。もちろん面接では現状をそのまま述べるわけにいかないが、建前と本音を使い分け、うまく自分をPRできた。まったく想定外な質問には分からないと正直に答えたし、雑談にもうまく返すことができたのは自分の成長を感じることができた。
「合格発表日」
合格発表日は爽やかな青空が広がる天気だったが、僕の心はどんよりしていた。もし受からなかったらどうなるんだろう…。そう思うと、憂鬱な気分であった。でも心のどこかではやることはやり尽したし受かるに決まっている。大丈夫だという気持ちも少なからずあった。
時間になり試験先のHPを見てもなかなかネットがつながらない。いつ見ても結果は同じなので、yahooニュースやネットサーフィンして時間をつぶす。10分後にHPを開くとつながった。なかなか合格番号が発表されているページが見つからない。やっと見つかった。心臓の鼓動が早くなるのを感じる。
「…あった!これ合ってるよな。もう一回開きなおしてみよ。やっぱりあるよな。6と9見間違えてないかな。1と7見間違えてないかな。何度見てもある!」
多分合格発表をみることを経験している人なら誰もが経験している確認を何度も繰り返し、家族に報告。今まで何度も涙を流してきたせいか、全然涙も出てこない。本当に心から安心したという気持ちであったし、人生がこれで好転するはずという気持ちであった。何より家族を安心させることができて本当に嬉しかった。
僕の実家は父親と兄弟2人がすでに公務員であったので、これで4人が公務員になったね。と冗談を言い、久しぶりに笑いあって喜びを分かち合うことができた。
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