第2話-⑤

翌日、昼休み。

いよいよ僕の一世一代の大勝負が、

今、始まる。



美少女は、今日もいつもと同じく外をほおずえをついて見ていた。

幸い教室には誰もいない。変な噂でも立ったらいやだからな。

顔が熱くなってるのを感じる。よし、僕は勇気の一歩を踏み出し、新しい人生が幕を開けるんだ。


「あの…いつも一人ですよね? 少しお話ししませんか? 迷惑だったら別にいいんですけど……。」


「私に関わらないほうがいい。」


冷たい声だった。態度が冷たい、というのはもちろんだが、それ以上に無機質とでも言えばいいのだろうか、そんな印象を受けた。


「あ…あの、なんだかすみませんでした。」


「……」


怒っているわけでもなさそうだ、安心した。

これは僕の努力不足なのではない運の問題なんだ。そう自分に言い聞かせた。


しかし、家に帰っても、あの女の子のことが頭から離れなかった。気になる。なぜだろう、わからない。

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