第2話-③

授業が始まり、ふと例の教室の角に目をやると、

なんとその美少女はいた。

こっちを見ている!

かわいい、というよりかはむしろ美しいとでも言うべきだろうか。和の雰囲気が漂っている、そんな感じの美しさだった。



昼休みその美少女は、やはり昨日と同じく外をぼんやりと眺めていた。

声、かけてみようかな。でもやっぱりやめておこうか。そう思った。

いや、そうしなきゃいけない、そんな義務感が僕の心に湧き上がった。


結局、自分のなかで葛藤している内に昼休みは終わってしまった。



放課後、僕はついに決心した。声をかけよう。あの、美少女に。

自分の人生が変わる気がした。冗談じゃなく、そんな不思議な心地がした。


「白沢。ちょっといいか?」


「ハッ、ハイィ!! ななななんでしょうか?」


「? 白沢どうした?そんなに驚いて。

今度話そうって言ったの、覚えてなかったか?」


「あ、あぁ、そうでしたね~、そういえば。ハハハハ……。」


「うん。それじゃ、ちょっと移動しようか。教室じゃあなんだし。

職員室来てもらおうか、コーヒー淹れてあげるよ。」


「わかりました。」


先生の淹れてくれたコーヒーは美味しかった。説明しなきゃいけないことというのは、部活のこと、選択科目のこと、高2の2学期に行われる文理選択のこととかだった。

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