フラッシュバック

声に出そうとすれば

何か違うものが噴き出しそうで


蹲っては

声にならない声を吐き出し


気付けば時計の針はぐるぐる回り

季節は僕を無視して過ぎている


いつか見た光景

光も匂いも音も声も寒さも


「ただそれだけ理由」で

ただそれだけのことで僕は動けなくなった



黒と赤褐色の現実が

耳の奥で響き続ける誰かの声が

いつまでも全てにこびりついて

毎晩僕を潰しに来るから


今日も枕に染み付いた涙にしがみついて

なんとか今もここにいる


「ただそれだけ理由」で

今日も僕はここに留まってる

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