砂の城

僕がこれまで積み上げて来たものなんて

どうせその程度のもので


小さな波にですら崩される

砂の城のようなもの


どうだこんなに高く築き上げたんだぞと虚勢を張っても


最期は削られ、崩され、吹き飛ばされて

残るものは何もない

まるで砂の城


その一瞬だけは見てもらえるかもしれないが

誰もそれを守ってくれようとなんてするはずもなく


崩れて無くなってしまえば

それは元から無かったのと同じように


そこに確かに存在していた事すら

みんな忘れて生きていく


もう一度

もう一度と


築き上げる為の力も心も

もうそこにはない


そんな自分は

もうここにはいない

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