指と唇
この人が好きだ、と自覚してからは、本当に色々な感情に翻弄されてしまって、戸惑うばかりだ。傍にいると、どこかふんわりと幸せな気持ちになるのに、後々に思い返すと、何やらじっとしていられないような、こそばゆい思いにふとかられたりして。
今朝も、アラームが鳴り始める一時間前には、もう目が覚めてしまって、早々と準備が終わってしまったので、無駄に豪華な朝食を作ってみたりして、父と母にそれぞれ複雑な顔をされたり、喜ばれてみたりして。
でも、しろくろを出て、二人きりになってからの怖いくらいの緊張も、吉野さんたちの出現で、何もかもすっかり吹っ飛んでしまった。
「……絶対、あとで冷やかされますよ、全員に」
人も車も混雑している駅前の交差点はとうに抜けてしまって、目的地へと向かう道路を滑らかに進みながら、店長さんが疲れたようにそう言ってきた。
危なげない様子で、器用にハンドルを切りながら、ため息をついたその表情が、あまりにもげんなりとしていて、わたしは思わず笑ってしまって。
「ごめんなさい。気持ちは凄く分かるんですけど、店長さんのそんな顔、初めて見たな、って」
そう言うと、店長さんは、引き結んでいた口元をちょっと緩めて、
「中屋さんだって、笑い事じゃないですよ。三人は毎日接触しないにしても、萩原さん、俺から見ても結構、曲者だと思いますから」
「確かに、からかい好きではありますよね……」
先日の件もそうだけれど、池内さんのこともあるし、と思ったところで、ふっと不吉な考えが過ぎる。
店長さんがこんな風に言っている、ということは、まさか、何か匂わされた、とか……
吉野さんたちに関しては、ある意味諦めたというか、もう開き直ってしまった。ばれてしまった以上、だからこそ頑張って伝えよう、と思い切る原動力にしてしまうつもりで。
あの二人きりの画像も、敦子さんによるとわたしにしか送っていない、とのことだったから安心していたけれど、もしや意外な伏兵が、などとぐるぐると考えてしまっていると、
「萩原さんが、気になりますか?」
ふいに、どこか鋭いものを含んだ声が飛んできて、はっとして顔を上げる。
しまった、こんな時に黙りこくってしまっていた、と、慌てて店長さんに向き直ると、その横顔は、どこか不機嫌そうに見えて。
少し迷ったけれど、次の信号で車が停止してから、そっと答えを返してみた。
「あの、気にならなくはないんですけど、からかわれているのは、他の人もそうみたいなので……そういう方なんだな、って」
「なら、いいですけど。なんとなく、気に入った人にはとことんまでちょっかい出す、って感じに見えるんで」
「……当たってると思います」
その洞察に、真っ先に彼女から聞いた言葉を思い出してしまって、深々と頷くと、店長さんは眉を上げて、
「えらく詳しいですね。中屋さん、直属の上司というわけじゃないんでしょう?」
「そうなんですけど……その、最近になって、少し」
先を続けかけたところで、信号が青に変わり、わたしはそのまま口を噤んだ。
まさか、池内さんとのことを話すわけにはいかない、とあらためて考えはしたものの、こう半端に言葉を濁すのも、なんだか怪しい気もする。
細かいことを悩んでいるうちに、気付けば、いつしか車は市街地を抜け、山手の方へと向かっていた。さほど急峻ではない斜面に沿うように、軽く蛇行している緩い傾斜の坂を上って行きながら、日差しに柔らかく映える、淡い緑の枝葉に目を引かれていると、
「中屋さん、もう少ししたら、左手見てみてください」
いつものトーンで声を掛けられて、わたしはほっとしながらも店長さんの方を向いた。
「はい。何か、あるんですか?」
わたし自身、あまり車で出掛けることがないから、こういう道には少々疎い。前もってスマホで地図と経路は確認したものの、広がる景色などというと、ほとんど知らないのだ。
そう尋ねると、店長さんは小さく笑って、
「秘密です。でも、たぶん、気に入るんじゃないかと思いますよ」
さりげなく期待をくすぐる言葉に、わたしは一も二もなく頷くと、窓の方へと勢いよく向き直った。まだかな、と半ばガラスに張り付くようにしていると、すぐ後ろから、店長さんのおかしげな笑い声が飛んできて、また小さな子みたいな真似をしてしまった、と、ちょっと気恥ずかしくなる。
だけど、そんな気持ちも、次のカーブに掛かった途端、一息に吹き飛んでしまった。
「わ……凄い!綺麗……」
春の緑に覆われた斜面に立ち並ぶのは、淡いピンクの花をつけた、山桜。
わたしが知っていたのは、赤みがかった葉のそれだけれど、ここのものは異なるようで、五弁の花にそっと沿うように、若草のような緑の葉が萌え出ている。
今が盛りなのか、時折はらりと散る花びらが、穏やかな日の光を浴びながら舞い落ちていくさまなどは、もう例えようもなくて。
そうして目を離せずにいると、ふとあることに気付いた。後続車がいない、というのもあるけれど、存分に見られるようになのか、かなりスピードを落としてくれているのだ。
やがて、大きく弧を描いていたカーブも終わり、視界は再び木々の緑へと切り替わっていく。その名残りを惜しむように、首を回して後方を見つめていると、
「やっぱり……中屋さん、こういうものに弱いですよね」
笑みを含んだ言葉に、わたしはぱっと顔を戻すと、店長さんの方を見やった。軽やかにハンドルを操作しながら、面白がっているかのように、くくっ、と喉を鳴らしている。
「……そんなに、分かりやすいでしょうか」
その様子に、さすがにわたしも、拗ねたような声を返してしまった。
昔から、家族にも友達にも、もちろん千穂にも池内さんにも、果ては津田くんにさえも(彼に関してだけは、君もだよ、と反論したけれど)、好きなものを隠すことができない、とさんざん言われてきている。それで、就職してしばらくしてから、池内さんに、
『色々とバレバレ過ぎて危なっかしいわー。変な奴に引っ掛からないようにしなよー』
などと、大変心配そうに言われたことがあるほどで。
そのことを思い出して話してみると、店長さんは、さらに笑みを大きくして、
「自覚、なさそうだとは思ってましたけど。もの凄く外に出てますよ、だから……」
そこまで言って、唐突に言葉を切ると、すっと難しい表情を浮かべる。どうしたのかな、と、少し気に掛かって見つめていると、店長さんは左手を上げて、自身の頬を軽く撫でて。
「いや、いいです、お気になさらず。えー、ここを越えたらもうすぐですから」
「……はい」
そう言われても、いささかならず、気になってしまうのだけれど。
とはいえ、何か機嫌を損ねてしまった、というわけではなさそうなので、追及はしないことにして、わたしはシートに深く掛け直した。
店長さんの言葉通り、峠を越えてしまうと、上りよりはきつい傾斜の坂を下りていく。と、行く先に広がる街並みの中に、ホームページで見た光景が垣間見えて、声を上げる。
「あ、あのグリーンの屋根、ですよね?」
「そのはずです。目印も見えてますから」
そう言って、店長さんが視線を向けた先には、ひときわ丈高い白木蓮の姿があった。
お店のシンボルツリーだというそれは、大きく縦横に伸びた枝が、前庭とその隣の駐車スペースにまで及んでいるほどで、それ故に店名は『ビストロ・マグノリア』だ。
どこか羽を束ねたようにも見える、ふっくらと丸みを帯びた花々に見入っているうちに、坂を下り切ってしまう。そこから、T字型の交差点を左折してしまえば、本当にすぐだった。
白い斑入りの色合いが爽やかな印象の、淡い緑の生垣に囲まれたそのお店は、うろこのような模様を帯びたベージュの壁と、濃淡の異なる瓦が織りなすグラデーションが綺麗な屋根が、周りの木々とあいまって、とても素敵だ。
駐車スペースに入るなり、店長さんは慣れた様子で軽くハンドルを切って、リバースにギアを入れてしまうと、シートの間から後ろを見つつ、あっという間に白線の中にぴたり、と停めてしまって。
「お疲れ様でした。じゃあ、行きましょうか」
そう声を掛けてくれると、さっとシートベルトを外して、先に外に出ていく。ぼうっと見惚れている場合ではなかった、と、慌てて動いていると、ふいに助手席のドアが大きく開けられて、
「あ、間に合いましたね」
まさしく開けようと伸ばしていた手を、目の前に立っている店長さんに、まるで当然のように取られてしまって、さりげなく引かれるままに、車から降りる。
繋いだ手はそのままに、空いた左手でドアを閉めてしまうと、スマートキーで施錠する。その一連の動作が、あまりにも何気なく行われていって。
「あ、あの、有難うございます。なんだか、慣れていらっしゃるんですね」
照れる暇もなく、思わずそう零すと、店長さんは小さく吹き出して、
「そんなわけないですよ。むしろ、こんな風にエスコートなんてしたこともないですし」
そう言いながら、触れた手をもう一度確かめるかのように、ぎゅっと強く握ってくると、どこか困ったように、笑って。
「けど、そうしたい、と思ったことは、結構やれるみたいです」
たった今気付いたんですけどね、と付け加えてから、導くように先に立って、歩き出す。
……そう思ってくれたから、なんだ。
じゃあ、今、こうしてくれているのも、きっと。
お店の入口へと続く、煉瓦の敷かれた小道を並んで辿りながら、わたしは言葉の意味をあらためて噛み締めると、ひとり頬を染めた。
「ただいま、白玉。みんなも、おみやげあるからね」
同じ日の夕刻、丁度、午後四時半。
しろくろの、艶やかな板の間に足を踏み入れるなり、タイミング良く一声鳴いた、壁の鳩時計に驚きつつも、足元に駆け寄ってきた五匹の猫たちに、わたしはそう声を掛けた。
「こら、お前ら、中屋さんに飛びつくの禁止だからな」
そう言いながら、のれんをめくって入ってきた店長さんが、わたしの手から荷物を引き取ると、カウンターに置いてくれた。荷物が増えて、両手がふさがってしまっていたので、有難くお礼を返しつつ、さっそく用意していたエプロンを身に着け始める。
これは、本来は母の庭仕事用予定のものだったのだけれど、先日譲ってもらったのだ。ふくらはぎの半ばまで丈があるので、猫たちと遊ばせてもらうのに丁度良いと頼み込んで、最終的に、今度、新種の薔薇の苗をプレゼントする、ということで話がまとまった。
紺の腕カバーもきちんとはめて、よし、とばかりに両の腕を伸ばしていると、
「それ、凄く機能的にはいいと思うんですけど、服が完全に隠れるのが残念ですね」
ドリンクサーバーの電源を入れながら、カウンターの中から店長さんがそう言うのに、わたしは白玉を撫でながら、はい、と頷くと、
「本当は、これじゃなくて、着替え持って来ようと思ってたんです」
今日の予定は、実は、大きく三本立てになっている。まず、マグノリアでランチ、それから、少し離れた猫たち用おやつのお店(なんと、可愛い見た目のケーキまであった)を訪れ、その後は、先日のお手伝いのお礼として『しろくろ一日占拠権』を行使してもいい、との店長さんのお言葉に甘えて、気の済むまで遊ばせてもらうことになったのだ。
そのために、最早しろくろ専用とも言える、パーカやシャツ類とパンツをセットで用意していたのだが、千穂と池内さんに全力で反対されてしまって。
そう話すなり、店の名前の入った白のマグを、棚から取り出しかけていた店長さんが、ぴたりと動きを止めた。
「ちょ、それはさすがに……それに、どこで着替えるつもりだったんですか?」
「……職場の更衣室で……すみません、やっぱり、ありえないですよね」
デート途中でそれはないわー、何が悲しくて休日に職場とか、と二人がかりで言われて、結構落ち込んでしまった。少しだけなら、寄っても平気かな、と思ったのだけれど。
それを聞いた店長さんは、あー、と困惑したような声を出すと、頭を掻いて、
「奥に、着替えられる部屋はなくはないんですけど……でも、なんか、まずいな」
「あ、いえ、こちらにご迷惑をお掛けするつもりは」
「いや、また一緒に行く時には、そのへんも考えとかないといけないな、と……」
ごく自然に続いた台詞に、反射的に頷きかけて、わたしは思わずそちらを振り仰いだ。
すると、やや遅れて意味に気付いたのか、店長さんは、少しだけ赤らんだ顔をそらしてしまうと、
「……ちょっと、コーヒーのストック、取りに行ってきます」
低くそう告げて、背を向けると、厨房を抜けて、そのまま奥へと行ってしまった。
廊下へ通じている引き戸が、かたん、と、閉まる音が響く。その音が合図になったかのように、わたしはのろのろと和室ゾーンへ足を進めると、突き当たりの壁際まで辿り着くなり、情けないけれど、その場に座り込んでしまった。
……どうしよう。
凄く嬉しいのに、どうしていいか分からなくなりそう。
壁に額を押し付けて、忙しく騒ぐ胸を抑えようとするものの、深呼吸をしたところで、全く効果が現れてこない。落ち着け、と何度繰り返しても、鼓動は早まるばかりで。
そうしているうちに、すぐ傍に暖かい気配が近付いてきたかと思うと、白くふさふさとした手が、わたしの腕に掛けられて、顔を向ける。
と、綺麗な緑の瞳をじっと向けてきた白玉は、しきりに引っ掻くような仕草をしてきて。
心配してくれてるのかな、と、壁に背を預けて座り直してみると、すかさず膝に乗ってきて、エプロンの胸元によじ登るようにしてきた。
それから、親しげにちょん、と鼻先を突き合わせてくれるのに、ふっと笑みが零れる。
「……あのね、凄く、楽しかったの」
内緒話のように囁くと、わたしは彼女の背中をそっと撫でてやった。
お店に着いてからは、前もって予約してくれていた、庭の花々が良く見える席について。
わたしは、ほうれん草のキッシュとクロックムッシュがメインの、ワンプレートランチ。店長さんは、同じものだけだと少し足りないかな、ということで、鶏と菜の花のパスタをプラスして、二人でシェアして。
そして、デザート。今回はむしろこれがわたし的なメインだったのだけれど、ずらりと並んだプチ・フールだった。タルト、シュークリーム、エクレアなど、その可愛らしさと美味しさにわたしがいちいち感嘆していると、店長さんにからかわれ、笑われてしまって。
帰りも、ちょっと照れながら、さりげなく手を取ってくれて、とても幸せで。
だから、こんな風に、次も、その次も、できれば、ずっと。
胸の奥から溢れてくる望みが、次第に寄り集まって、はっきりとした言葉を形作る。
伝えなきゃ、と心に決めてしまうと、わたしはぎゅっと白玉を抱き締めて、目を閉じた。
瞼の裏に、一瞬、刺すような強い光がひらめいて、わたしは身じろいだ。
とろりとしたまどろみの中から、ゆっくりと引き出されていくような感覚に襲われて、小さく声を上げながら、なかなか開こうとしないそれを、半ば無理矢理に押し上げる。
ぼんやりとした視界の中だというのに、光の正体は、すぐに分かった。カフェゾーンの通りに面した窓の上、天井近くに設けられた、小さな明かり取りから差し込んでいるのは、今にも沈もうとしている、夕の日で。
辺りに満ちたオレンジ色の意味に気付くと、わたしは慌てて目をこすった。その動きにつれて、右の肩に何やら重みがかかっていることに気付いて、白玉かな、と思いながら、そっと顔を向ける。
と、間近に目に入ってきたものに、わたしは息を呑んだ。
あと少しでも近ければ、何もかもが触れてしまいそうなほどの位置に、店長さんの顔があったのだ。しかも、普段用の黒い眼鏡は外していて、目をしっかりと閉じている。
そして、両の腕を組んで、あぐらをかいた姿勢で、壁に背中を預けていて。
「……寝てる」
なんとか落ち着いて静かに耳を澄ませてみると、ごく軽い寝息が聞こえてきて、ほっと息をつく。こんな至近距離で、もしも起きていられたら、それこそ心臓が止まりそうだ。
それに、まだ、もたれかかったままの肩から、じわりと体温が伝わってきていて。
ふと目を移せば、猫たちは、わたしと店長さんを囲むようにして、固まって眠っている。眠りが深いのか、時折、耳や尻尾の先を動かしているほかは、起きる様子も見えない。
……とりあえず、あのまま寝ちゃったみたいだ、というのは分かるけれど。
どうして店長さんまでが、という、答えの出ない疑問を抱きながら、そろそろと、壁の鳩時計を見上げてみると、午後六時を過ぎたところだった。
良かった、まだ非常識な時間じゃなかった、と、内心で胸を撫で下ろしていると、
「……中屋、さん」
前触れもなく、どこかざらついた声でそう呼ばれて、わたしはびくりと身を震わせた。
起こしちゃったのか、と、申し訳ない気持ちで声の方を見やると、意外なことに、瞼はしっかりと閉じられていて、一瞬戸惑う。
と、微かに唇が動くのに気付いて、じっと次の言葉を待つようにしていると、ゆっくりと目が開けられて。
わたしの姿を認めるなり、まるで眩しさにくらんだように瞳が細められたかと思うと、もたれていた背中を壁から離して、身を捻ると、すっと腕を伸ばしてきた。
その指先が、頬に触れ、撫でるようにくるむように動いても、わたしは動けなかった。向けられている鋭く、睨むような視線に、身じろぎひとつ敵わなくて。
やがて、軽く顎に手を掛けられてしまうと、親指がそっと、唇をなぞるようにしてきて、
「……彼が、いいんですか?」
「……え?」
唐突に放たれた問いが、全く理解できなくて、思わず短く声を上げる。
すると、空いた腕を背中に回されて、身体ごと引き寄せられて。
「そうじゃ、ないなら」
急き込むようにそう続けた、店長さんの表情が、ふいに苦しげに歪んだかと思うと、
「……俺が、いいんですか」
問いの意味も、頬にかかる吐息も、何もかもが分からなくなる。
是非もなく、ただ近付いてくるままに、その瞳を見返すばかりでいると、ふいに視界がゆらりと滲んで。
ぱた、ぱたと、雫が落ちる音が耳に届いて、やっと何が起きているのか認識する。
と、揺らぐ水の向こうで、鋭く息を呑む音が聞こえて、
「……中屋さん」
半ば呆然として、わたしの名を呼ぶと、突然、弾かれたように触れていた手を離す。
酷くうろたえた様子で、店長さんがつと身を引いた瞬間、わたしは、力の入らない足を無理矢理に動かして立ち上がると、後も見ずに駆け出した。
白玉の威嚇するような声と、店長さんの切迫した呼び声が、背中にぶつかったけれど、振り向くことさえできなくて。
あの瞳が、どうしようもなく、怖くて。
問われたことも、答えを返せなかった自分にも、感情がついていけなくて。
ぼやけた視界のまま、街灯の光だけを頼るようにして、よろめく足を踏みしめながら、わたしは人気の少ない通りを、ただひたすらに駆け抜けていった。
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