第6話「ありがとう。そしてありがとう」

2016年5月22日日曜日。


am7:00、大和におはよう、と言って。放ってあった封筒の書類を見ると、「初七日忌日」の欄に「平成28年、5月22日」とあった。


 その日はチェックしていた。祖母が本土に来てちょうど1か月なんだよな。


am7:07、大和の部屋へ入ったら、また仏様の声がする。



「また、食べてくれるのか……?」



 不思議に思って、頭の中で問いかける。



「うれしいのかい?」


「どんなふうに味わってくれるかと思うと……」



「食べてほしいの?」


「そう」


「じゃあ、少しずつ食べるよ。全部食べたほうが良い?」


「うん」



 そして今日も愛猫大和の骨の、細いところをかみしめた。



「鉄のようだ……いや、遺骨をかむって、砂をかむようだな」


「うるさい」


「ありがとう」


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