☆山中に灯った青い光(写真あり)
画像を見られた方の中に不可思議な現象を受けた事例が見られましたので、最初はなかった☆マーク(霊障があるかもマーク)をつけさせていただきました。
他にも影響を受けた方がみえたらすみません。
※ ※ ※
みなさんは幽霊ってどんな色をしていると思いますか? 悪霊とそうでない霊とに色の違いがあると思いますか?
テレビ番組等でよく指摘されるのは、
「赤い色は霊が怒っている証拠。警戒色だから気をつけないと」
ということ。
でもワタクシ、これには少し物申したいのです。というのも、私が霊に遭遇するとき、あきらかに「ヤバイだろ、これ」と思われる霊の色は、いつも『青』なのですよ。それも信号機のような発光した青緑色。赤っぽいのは、エネルギーの強さは感じるけれど、悪意は少ないような気がします。
そんな実例を挙げさせていただきます。
※ ※ ※
あれはいまから八年前。二〇〇八年七月二〇日のことでした。
その日は……なにが目的だったのかすでに覚えていませんが、私は家族(私&旦那&長男&次男)と車で愛知県の北設楽郡に
用事をすませて帰途についたのは、七月の太陽も山の端に隠れたころでした。いつもは国道をひた走るのですが、その日は、なぜか通ったことのない道を試してみたくなり、国道から枝分かれしている県道三三号線にタイヤを進めてみたのです。
三三号線は山の中の起伏に富んだ道でした。豊川という渓流に沿った、車同士のすれ違いに少し注意を要するかなという幅の、ぐねぐね道です。
日が暮れているので、あたりには藍色の薄闇が満ちていました。
視力のよくない私を心配して、旦那が、
「運転を替わろう」
とさかんに提案してきました。
……きっと、旦那の目には、そのときの光景が『視認が難しいほど暗い』ように感じられたのでしょうね。
が、私は、これは当時不思議なことだとは気づかなかったのですが、整備の悪い凸凹のアスファルトの路面が、まるで白い光を放っているように見えていたんです。曲がりくねった山道なので進行先はほとんどわからないはずなのですが、白い光は一〇〇メートル先までの状況を教えてくれました。
サーチライトはロービームのまま。ハイビームにしてしまうと、逆に『目で見なければならない』ために、安全に運転できなかったのです。
……な、なにを言ってるかわかるかしら……。
まあそんなこんなで、旦那はともかく、子どもたちが居眠りをするほどには穏やかだった帰途で。
カーブを曲がった瞬間、とつぜん女性の姿が目に飛びこんできたんです。ずっと民家もなかった山の中で。
小さなハンドバッグ一つを持ち、道脇にぽつんと立つバス停に、まるでバスを待つかのような雰囲気で
そしてなぜか(ああ、子どもに会いに行くんだ)と、勝手に納得してしまいました。お母さんだと思えたんですね。
私は、ゆっくりと減速して、バス停を少し通りすぎたところで停車しました。
よく見ると、車を停めた場所は小さなデイキャンプ場の端でした。バーベキューの設備がいくつかと木造の管理棟が見えます。管理棟の壁には『清流公園ご利用の皆さんへ 利用時間は午前九時から午後五時まで』との注意書きが貼られています。
「……それでこんなとこにバス停が……」
車から降りながら、私は女性を見たバス停を振りかえりました。
すでに彼女はいなくなっていました。
バス停には『町営バス 清流公園前』の文字があります。知る人ぞ知る地元の名所なのでしょう。
「どうかした?」
旦那も車から出てきました。
説明しようか迷ったのですが、まだ残照があるとはいえ、一九時を回った山道で「幽霊を見た」というのもどうかと思って、適当にお茶を濁しました。
「なんかキャンプできるらしいよ、ここ。ちょっと見ていこうよ」
と。
私と旦那の会話で目を覚ました子どもたちも車から出てきました。
このときになって、私はようやく川の音に気づきました。どうやらこの公園は渓流と隣接しているようです。
「あれ乗る!」
管理棟の向こう側に吊り橋を見つけた次男(当時五歳)は、止めるまもなく、川にかかるその橋に向かって走りだしました。旦那があわてて追いかけます。
長男(一〇歳)は慎重に、しばらく私のそばで山の空気に馴染もうとじっとしていましたが、私が、
「行こっか」
と誘うと、おずおずと一歩を踏みだしました。
吊り橋はしっかりしたものでした。鉄製で、ところどころ錆びてはいましたが、揺れることもなく、また床も落下防止の構造になっていました。
私は高所恐怖症の気があるので、いつもならこの手の建築物にはちかよらないのですが、この頑丈さなら大丈夫かと思えました。
先に突撃した次男と旦那は、すでに対岸で手を振っています。長男も、じつは内心興味があったようで、ゆっくりとではありますが、橋を渡っていきます。
足元の川は、岩がごろごろしてはいましたが、特に急流でもなく、恐ろしい感じは受けません。
対岸は
「そっちって道あるの!?」
と聞くと、
「なさそう! 暗くてよくわからない!」
と答えが来ました。
「熊とか出ないでしょうね……」
と独り言を言いながら、吊り橋の半ばまで来たとき。
何度も経験はあるのですが、あの感覚をどう説明したら伝わるのか、いまだにわかりません。
例えるなら……大勢の人間がめいめいで愚痴を言っているような感じ……。非常に強い悪意は受けとれるのですが、まとまりがないので具体的に共感できない。自分がいかに不幸だったか。自分がいかに怒っているか。そんな情動をえんえんとぶつけられているような感じなのです。
気づくと足が止まっていました。というか、震えがひどくて進めなくなっていました。全身に鳥肌が立っています。
対岸でのんきに手を振りつづける旦那と次男。そしてそれに追いついた長男。
その背後の森に大きな黒い影が立っています。人の形はしていませんが、人の声は発しています。中年の男性の声。他にもざわざわと甲高い女性や別の声が混じります。
自分の動かない足を見て、それから黒い影と家族との近接した距離を測ってから、私は苦笑してしまいました。
おそらく、私がこの公園に立ちよったのは、こういう連中がいることをうすうす感じとったからなんでしょう。私は昔っから『君子危うきに近寄らず』の逆パターンを行ってしまいますから。
でもそれなら『危うき』に近づくのは私であるべきであって、巻きこまれている家族のほうが危機的状況にあるのはおかしいわけです。
とはいえ動けないものは動けない。
だから、今度も大声で旦那に呼びかけました。
「ちょっと気をつけてね! 森の中には絶対に入っちゃダメだよ!」
と。
ふだんから私のこういう行動を見知っている旦那は、すぐに子どもたちを連れてひき返してくれました。
「なんかあったの?」
と吊り橋のまんなかで固まっていた私に尋ねる旦那に、
「なんかいたでしょ?」
と尋ねかえすと、
「気持ち悪いなとは思ったけど……」
との返事。どうやらはっきりとは認識できなかったようです。
きょとんとしている子どもたちに、旦那が、
「お化けがいるって」
と説明し、私は、
「もう帰ったほうがいいみたいだね」
と
引きつった顔で慌てて車に戻る長男。その横で、
「お化け見る!」
と息まいている次男。
それらをまとめて車に押しこんだ旦那も、すぐに助手席に乗りこみます。
そして私は。
……なんでかなあと自分でも思うのですよ……。なんでこう気が短いんだか……。
そのときの私は、ちょっとばかりキレていたのです。
私は別に、その日、幽霊なんか見たくはなかったのです。むしろ気分よく過ごせた一日を大事にしたかったのです。
それになにより、私は家族大好き人間なのですよ。だから家族の前に傍若無人に出てくるこういう類のものに対して、無条件で怒りが湧いてしまうのです。
なにが私の気分を害したのか。
そもそもあのバス停の女はなんなのか。
こんな民家もない山の中に、幽霊の複合体みたいな形で出たあの黒い影の正体はいったい。
ええ。撮ってやろうと思ったのですよ、それらを写真に。で、のちのちまで、
「心霊写真だよ」
って見世物にして笑ってやろうとしたのです。
一人で吊り橋を渡り、今度はちゃんと対岸まで届きました。あいかわらず異様な震えはあったけど。心臓もばくばくしてましたけどね。
対岸に広がる森は、もう闇に溶けて真っ黒でした。あとで調べた結果、そこには自然歩道があったようなのですが、そのときはまったく見えませんでした。
携帯電話のカメラで二枚ほど写真を撮りました。その場で確認しましたが、小さい画面と暗さが相まって、木々の輪郭さえ不鮮明。明確に幽霊と認められるものも写ってはいません。
それでもなんとなく、勝手ながら達成感を味わえたので、満足してその場をあとにしたのです。
そのときに撮影した画像がこれです。
https://goo.gl/photos/M6LSbfX7XaAyrNdy6
吊り橋の中央部分から目線を上にずらしていただいたところに、青い小さな光が点っているのが見えるでしょうか。少し拡大してもらうとわかりやすいかもしれません。
思ったよりも微小な現象なので、期待された方にはがっかりさせちゃったかな。どうもすみません。
ただ。
これ以降、青色の発光現象が現れるときがまれにあるのですが、そのすべてに共通するのが『強い恨み』の意識なのです。
そのうちの一つが私の叔母に関わるものです。今回は割愛しますが、いずれご紹介できれば幸いです。
幽霊はどんなふうに見えるのか。カラーなのか、白黒なのか、もしくは透明で輪郭だけなのか。
これは見てみないとわからないし、さらに言えば、証拠がないと見えない人たちを納得させることはできない。
私が証拠を提示しない『霊能力者』たちを尊敬しない理由はそこなんです。心霊を道具にして他人から利益を受けとる。けれど彼らの多くが物理的根拠を示さない。口八丁で脅したり、口寄せの小芝居でお茶を濁したりする。
証拠はおそらく出せます。素人の私ですら、写真や第三者の証言つきの現象をたくさん集められました。だから『プロ』として幽霊とつきあっている霊能力者がなにもないということはありえない。
もしみなさんが、そんなことはないといいのだけど、お祓い等で霊能力者のお世話になるときは、先の写真を見せて「なにが写っているのか」を聞いてやってください。浮遊霊? 落ち武者? ここで死んだ地縛霊? ぜんぶ違います。あの青い光は、山の中で自ら命を断った方々の魂なのですから。
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