第3話 ダーレスブルグ公国について その1

 本キャンペーンの地元となるダーレスブルグ公国には以下のようなオリジナル設定を作成しています。

 

【宰相について】

 ダーレスブルグ公国において内政・軍事・外交の全てに(法的には)決定権限を持つ公王を除けば最高位の非常任役職。最もあくまでそれは建前であり、本来の使い方は長らく公王に仕えた忠臣に対して最後に褒美として与える名誉職という位置づけであり、これまでの宰相達は決して政に口を出さなかった。が、現公王アルフレートⅢ世は宰相位を悪用し、自身の苦手な内政と外交(さらには時々軍事も)を宰相位を与えたものに丸投げするという悪政(?)を布いていた。なお、アルフレートⅢ世政権下で宰相位に任命されたのは現宰相ストーダを含め4名いたが、いずれも滅私をもって国政に従事していたため、大きな問題にはならなかった。

 

【軍事司令について】

 ダーレスブルグ公国において軍事権は公王が持つが、その公王が幼い、あるいは女性(ダーレスブルグ公国はバリバリの男尊女卑国家であり、女性=家にいろ!という考えの持ち主が圧倒的に多い)であった場合に代わりに軍事権を行使できる役職。公国自慢の四軍を束ねる指揮権を当然持つ。基本的にダーレスブルグ公国の公王は男性かつ軍事面での才能だけはあるものが多く宰相以上にレアな非常任職。アルフレートⅢ世の治世においても同様で長らく軍事司令は空位であった。が、ある事件で正気にもどったアルフレートⅢ世がこれまたある事件で甥のバイロン・シアルフィが将軍職を解かれたと聞くと、彼を軍事司令に抜擢し、軍権を一任することになる。

 

【軍装の色備えについて】

 ダーレスブルグ公国は大破局以前の王国時代より軍事国家であり、優秀な軍人を数多く輩出している。そんな軍人たちの中でも有名なのは王国創世記に常に最前線で戦うある猛将の話である。生涯負け知らずで勝ち続けたその将軍は戦地にあっては敵の返り血で常に全身が赤色であったという。これにあやかり、その将の部下たちは皆自身の兵装を赤色で染め上げたのがことのはじまり。

 以来、ダーレスブルグ公国では抜群の功を立てた軍(部隊)に対してはパーソナルカラーで兵装を染め上げることを許可している。大陸歴312年の公国軍においては

  公国第2軍:赤色(対象者はゴーイ将軍とその麾下)

  公国第3軍:白色(本来の対象者はバイロン元将軍とその麾下)

       →現将軍はバイロンの息子シグルドであるが、未だ父の

        影響が強く残っているので白色兵装を許されている

  公国第4軍:黒色(対象者はマグダレーナ将軍とその麾下)

  ※黒色は父オトフリートと同じ色備え

なお、本来色備えは同時期は一色あるかどうか、二色あるのは珍しい、というものであり、色備えが同時期に三色発生するのは初の状態。

 

☆公国上層部抜粋

【蘇る大剣豪】アルフレートⅢ世

「ケツは余が拭く。存分に働くがよい!!」

 ダーレスブルグ公国の公王にして齢70歳という高齢ながら公国最強クラスの剣豪でもあります。長らく高齢ゆえにボケが始まったと言われていましたが、その実、魔人との戦いで魂を摩耗していただけであり、この戦いに勝利したのちは正気に返っています。

 が、自身に政治的才覚がないことを自覚している彼は正気に戻った後も内政は宰相のストーダに一任しています。また、戦士としてはともかく、将軍としては決して一流でないとこれまた自覚もしているため、軍事に関しては甥のバイロンを軍事司令に任命し、これまた一任しています。

 そんな公王の日常は剣の鍛錬に励むか、中庭で趣味のお茶を楽しんでいるかのどちらかです。それでも家臣達から見放されないのは宣言通り「仕事は一任しても最終的な責任は全て自分が背負う」としているからという点と、彼自身が優れた人物鑑定眼を持っているからです。

 

【公国の支柱】ストーダ・ラスフォルト

「5年ではない。10年20年先まで見据えて国政は行わねばならん。」

 ダーレスブルグ公国の臣下では最高位にあたる宰相に就任している男性です。公王の意向もあり公王に代わり国政の全てを任され、それを成し遂げ続けている同時代最高の政治家でもあります。

 ストーダが宰相に就任してほどなく公王が不覚に陥ったこと、そののちストーダの専横ともいえる治世が続いた際にあれこれと陰口を叩かれもしましたが、それを一切気にせず政務を行い、このことを正気に戻った公王が知ると「ほれ見たことか。ストーダは我が国の至宝ぞ!」とストーダを褒めたたえました。

 かつては国政全てに決定権がありましたが、今は軍事面では政敵のバイロン司令が、内政面では養子のアルヴィス内務卿がそれぞれ不可侵の領域を主張してくるため、以前ほど威勢がないかもしれません。一方で「ストーダの意見は即ち余の意見でもある。文句があるなら余に言え」と公王直々に後ろ盾としてストーダの政務に正当性を与えているので、ある意味では前以上の威勢を持っているかもしれません。

 

【白銀司令】バイロン・シアルフィ

「我が剣、我が戦いは全て公国のために・・・」

 ダーレスブルグ公国において軍権の全てを一任される軍事司令に就任している男性です。戦士としても将軍としても大陸最高クラスの人物であり、その心根も騎士道精神を具現化したような高潔な武人です。その威風から公国より白騎士ヴァイス・リッターとして白の色備えを許可されています。戦場において白銀に輝くバイロンの雄姿は国内だけでなく、国外にも広く知られ、蛮族達からも人族の勇者として勇名を轟かせています。

 現宰相のストーダとは昔親友、今政敵です。ですが、

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