冤罪0

20xx年。完全な記憶解析装置が発明された。この発明により世の中は大きく変わった。


「記憶が抜き取られるってのは不気味なもんだな。」

「いや〜、悪いことだけでも無いのでは?」

「こんなもの何の役に立つのさ。」

「冤罪の証明ですよ。」

「・・・ああ。やってないことの証明になるのか。」

「痴漢に始まり殺人まで。これまで冤罪だったであろう事件は数知れませんから。」

「これからは冤罪0の世界ってわけか。」


二人の男の会話を聞いていた、別の男二人。


「しかし上手くいくものですね。」

「ああ、全くだ。記憶の解析が可能な技術があるならば、記憶の移植が可能な技術が存在する。」

「そして無実の人間に犯罪の記憶を植え付ける。」

「警察も酷いことをするもんだ。」

「いやいや。良い世界になったじゃないですか。」

「無実でも捕まるのにか?」


男は不気味に笑う。


「それでもここは、冤罪0の世界ですから。」

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