第一章「始祖、君臨」
Chapter-001:FOUNDER REIGN
C-001-Section-001:Metempsychosis
(母ちゃん…?)
失った意識の中。記憶の入り口が開かれる。
懐かしい感じ。それは母親の記憶。
いつもは父親を失った忌まわしい記憶だったが、母の温もりがブラッドを包んだ。
「希望は生まれる前から絶望なの」
「私はその宿命に、自由からの解放を待ってる」
「待っているの」
「終わりを齎すのは常に始まり」
「心に現れる自らの意志。私はその重なりを待つの」
「神印の巫女。守り人の勇者」
「それはいずれ引き合わされる運命だけど」
「私はその宿命に、自由からの解放を待ってる」
「待っているの」
無数の棺に囲まれ、後ろ姿しか確認できない女性は背中から翼が発生すると、赤い網に包まれた巨大な球体に向かって飛び立って行った。
まるで、母が夢の中に会いに来てくれた。そう思える夢であった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます