高校二年生の初夏、私はステロイド治療を始めた。

今迄ステロイドを使用していなかった事が幸いしてか、

症状はみるみるうちに善くなり、

身体はこんなに軽いものなのかととても嬉しかった事を今でも鮮明に思い出せる。


私が幼い頃に受けたステロイド治療よりも、

治療法等も進歩しており、リバウンドなども無く、

夏休みの二週間に行った入院による集中治療も、

スムーズに行われ、初めて私は、

色々な物を鮮明に見ることが出来るようになった。


それまでは、

外食をすると、何かしらの添加物で痒くなる。

眠る時の副交換神経で痒くなる。

腕は伸ばせない。膝を伸ばすと膝の裏が痛い。

等、今では流石に思い出せない程になってしまった。


けれどもそこから、

また新しい病気と、長期に渡る闘いになる。


中々に生きるのは大変だ。

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