第2章『機械と破壊』

「えっと・・たしかリート街の南だったよな・・・」


俺はカインと連絡を取り、謎の球体が発見された場所に向かって

自転車を走らせていた。


「おーい!クーロ!」


例のむさくるしいやつが俺を呼んで手を振っている。


「誰が目印になれなんて頼んだよ・・・」


そう呟きながらカインのそばに自転車を止めた


「なんだよ、お前も結局興味あったんじゃねえか!」


相変わらずでかい声だ、そして暑苦しい


「うるっせえな、チャージが出来なかったから来てみただけだ」


チャージがちゃんとできてれば俺は今頃

家で冷たい飲み物と、昼飯にありつけていたはずなんだ


「チャージできない?だったら巡回ユニットがくるだろ」


なに言ってんだこいつはみたいな顔でカインが言い放った


「来てなかったんだよ、それどころか街に1機も見かけなかったんだ」


そう言うとわけがわからないといった顔でカインが言った。


「んなわけねえだろ、巡回ユニットはその街から離れない、

ルートから外れないようにプログラムされてて、絶対に街を巡回してる!

それくらいお前だって知ってるだろ!」


当たり前のことを当たり前のようにでかい声で言ってくるカイン

さすがに俺もイラっとした


「知ってるよそれくらい!だが本当に1機も見かけてない、

じゃなきゃこんなとこに来ねえよ」


そういうとカインは黙った


「で?例の謎の球体とやらはどうなってんだ?」


気まずい沈黙がいやだった俺は話を切るように

カインに聞いた。


「ん?ああ、今調査ユニットが調査中だ。どうも話によると

鉄じゃないらしい」


カインの言葉に俺は耳を疑った


「鉄じゃない?」


鉄じゃないだって?今の地球上でわからない物質は

ほぼ存在しないと言ってもいい

すべてが調査ユニットによって調査されつくし

解明されている。


「そんなバカな、今の地球上で何かわからない物質なんて存在するわけ」


言葉を言い終える、その時だった



「球体が動き出したぞ!」


群衆の前列が騒ぎ始めた


「なんだあれは!ロボットか?」

「気持ち悪ーい!うねうねしてるよ」


群衆のざわつきに俺とカインも前に行こうと

群衆をかき分けて進んだ


「すいません、通してください」

「わりいけど、通してくれ!」


やっとの思いで前列に出ると

俺もその球体を目の当たりにした。



機械ともロボットとも言えないそれは

独特の機械音と排気音とともに形を成していく


「なんだよ・・・あれ・・・」


俺とカインもその異様な光景から目が離せなかった



そしてそいつは形を成し終えた。


「ヒュー・・・シュー・・・・」


ロボットとも言えないそいつは周りを見渡すようにゆっくりと旋回した。


そして



パスン!



「え・・・・」


俺の斜め前の男が


撃たれた


何が起きたか理解できなかった

頭から血を流し倒れている

周りの群衆も理解できていない。

そしてようやく時が動き始めた


「う、うわあああああああああああああああ!」

「いやあああああああああああああ!」

「う、撃たれたああ!」

「逃げろおおお!殺されるぞおおおお!」



そこら一帯はパニックに陥った

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