何よりも元気をもらった山の友の言葉
山好きのサイトに滑ってしまった筑波山の山行記録をアップしたら、フォロワーの方からコメントを頂いた。
要所要所抜粋して、
P男さん、「お怪我が心配です。取り敢えず無事に下山出来て良かったです。まずはくれぐれもお大事に」
H男さん、「足は大丈夫ですか?頑張り屋さんなので心配です。今は膝を休める事が1番です。怪我が回復したら、ご自分の山を登って行きましょう」
C男さん、「膝、大丈夫ですか。下山中にはかなり負担がかかりますから、無理はしないで下さい」
私は、このサイトでお知り合いになったM男さんと、山友のK子で7月に白山登山、C男さんとは8月に御岳山に行く約束をしていた。
C男さんにも、山行記録では簡単にしか触れていなかった、私の足の状況をメールでお知らせし、御岳山には行けない状態である謝りのメールを入れた。ちょうど8月の夏休みで予定していたので、せっかくのお休みを有効に他の山で過ごして欲しかったからだ。
「余り、自分を責めないで下さいね。焦らずゆっくり、治せば必ず次の機会があります。膝が良くなり、もし覚えて頂けてたら、御岳山でも高尾山でもご一緒させて下さい。まずはお大事に」
と、C男さんから返信を頂いた。
自分のせいで、2つ大事な山行計画を台無しにしてしまった事が、頭から離れず、仕事も何もかもどうでも良いと思った。何も考えられない、気力もない。ただただ、「バカ、バカ」の言葉が、何度も何度も頭の中を駆け巡った。
本当に楽しみで、待ち遠しくて、何度も何度もコースを登山地図で確認したり、ネットのサイトで、最近登った人の山行記録を見たりして思いを馳せていた。いつもはご一緒出来ない方との貴重な登山だった。より一層自分を責める気持ちが強かった。
ここ最近は、トレーニング登山もあったので毎月山に行き、仕事が遅くても朝早く起きて始発から電車に乗る。仕事しながらも、週末が来るのが待ち遠しくて仕方がなかった。
それまでの私は、朝早く起きるのは苦手だった。だが、山に行きだしてから、目覚ましなる前に目が覚め、「スッ」と、起きられた。
そしてワクワクしながら電車に乗り、これから行く山を思う。力が漲っていた。
それでも時には、 登る前から計画をちゃんと練ってても不安な時もあったり、予想外にきつかった山もあった。登ってみなくては分からないワクワク感、四季を通じて変わる景色、道。身体全体で感じるもの全てが私に吸収されていく。
登っててつらい時、諦めるか諦めないか、心の葛藤中にふと垣間見られる景色が、頂上へ登るためのパワーをくれる。
頂上に着き、頑張って良かったと思う、景色のご褒美。
決して楽ではなく、色んな思いや心の葛藤と闘いながら登り、ひたすら自分と闘って黙々と登っている時もあった。泣きたかった時も。
その全てを頂上が迎えてくれる。景色、展望が良いのに越したことはないが、自分の心が充実感で満たされる瞬間。
私は、この全てのものが私から離れていくのが怖かった。離れていきたくない。もっともっと、フォローさせて頂いてる方達と、山の話しをしたかった。一緒に登って行きたかった。山の事を話している時の自分は凄く生き生きしていて、話しながら思いが溢れんばかり。
「こんなに、私は山が好きだったんだ」
怪我して登れなくなり、思いの強さを知った。
足を怪我してから諦めていたスポーツ。
山との出会いで、こんなに熱くなれる自分がいた事、景色に見惚れ感動する自分がいた事、頂上まで力を振り絞り登ろうとする自分がいた事、今まで知らなかった自分がどんどん出てきた。山は、自分が知らない私を「これでもか」と、色んな状況で導きださせてくれる。
「やっと巡り会えた山を、又右足の怪我でなくしてしまうのか。右膝の怪我で」
フォロアーの方達も、色んな思いや、体験をしながら山行されているので、その方々からの言葉は、誰よりも私の心に響いた。勇気づけられた。側にいなくても1人でないと思った。繋がっている感じがした。
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