第9話 嗚呼、異世界汚濁戦法
「わああああ!」
「うおお⁉」
大声を出すのは威嚇にもなる、ほれみろ追剥ぎコンドルがパニクって逃げやがったぞ。皆さんも誰かを強襲したいときにはご参考に。
「な、なんだあ⁉」
「こそ泥野郎が! 俺の袋返せ!」
「な、何の話だよ! お前は誰⁉」
あ、しらばくれたな。こりゃ許せませんねえはい!
「お、俺の家だぞ! 出てけよ!」
ナイフをちらつかせ、俺をけん制する。へ、震えてやがる、戦った経験はないなこいつ。俺は弱気な奴にはとことん強いのだ。
「は!」
「ひ!」
再度大声で威嚇。よしますます震えが大きくなったぞ。闘いとは対峙する以前から始まっていると某格闘漫画にも描いてあるぞ。見ろ壁に背を預けてもう動きが取れない。後はやけくそで突進してくるのが怖い所だが……。
「あ⁉」
「え⁉」
「おらあ!」
「えけ⁉」
必殺指さし殺法。見当違いな方向を指さして、相手が気をそらしてその隙に一発。弱っち奴とのタイマンでは効果抜群。どうだ俺のフックは? 一発KOだ。
これこそ異世界に迷い込んだ時の醍醐味だよ改めて。だれだって無双が楽しいもね。
さて、小袋を取り返して……結構ため込んでそうだなこいつ、迷惑料として少々もらっておきましょうか。盗むわけじゃないからそこんとこよろしく。
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