第8話 解体作業。
シャッターと二階押し入れの塗装を終えてから数日後、ついに解体作業がはじまりました。
解体を行う箇所は大きくわけてふたつです。
ひとつは一階土間部分。土間にあるトイレ、風呂、キッチンを取り除き、最後に土間自体を取り壊します。こうすることで一階の部屋の床をツライチ(表面の高さをあわせること)にします。
もうひとつは二階。
ふたつの和室を挟んでいる部屋中央部にある押入れを撤去し、部屋を広く使えるようにします。
ここからは相真工務店さんの出番です。
解体の日程は
・1日目/解体作業(午後から夕方まで)
・2日目/解体作業(日中)
・3日目/撤去作業(午前中のみ)
日数的には3日ですが、作業時間的には2日で終えてしまうようです。
この期間中にお手伝いできることはなさそうなので相真工務店さんにすべておまかせし、わたしたちは様子を見守ることにします。
最初におうかがいしたのは2日目のお昼でした。
すでに土間部分は撤去され、トイレや風呂、キッチンも取りのぞかれ驚くほどの廃材が一階にあふれていました。
その印象はまるで廃屋のようです。
その有様に驚いていると「廃材の撤去前なんで散らかっててすいません」と担当の小笠原さん。「シャッターを塗ったんですか。きれいに仕上がってますね」と言われ、お世辞だとわかりながらもプロにそう言われて恐縮してしまいました。
その後、一緒に作業してくださっている小坂さんにもご挨拶させていただき二階も見せていただくことにしました。
二階は押入れの撤去のみですがやはり廃材の量を見て、唖然としてしまいます。
明日の撤去作業後には壁と柱と床だけの丸裸になった状態が見られるのですがいまはなかなか想像がつきません。
翌日は撤去作業後におうかがいしました。
廃材が撤去された部屋は築年数約40年の素顔を見せていました。
「もしかして広い!?」
廃材がなくなったことで部屋ががらんとしているからかとも思いましたが一階は土間など遮るものがなくなったことで約23㎡/7坪がむきだしになったため、以前を知るわたしたちからすると相当広くなった印象がしました。
また、二階は天井までの高さが段違いに違いました。
押入れと天井からの仕切りがなくなっただけでこれほどまでに雰囲気が変わるのかと思うほど。これにはびっくりしました。
坪数から当時の事務所にくらべてせまくなるのはわかっていましたが、解体前に何度訪れても「これだとせますぎるんじゃないか……」と思っていた不安が一気に解消された瞬間でした。
これから始まるトイレとキッチンの増設や木で床を作る基礎工事でどれだけ印象が変わるのかがぜん楽しみになってきます。
しかし、そのまえにわたしたちにはやっておかなきゃならないことがあります。それはわたしたちにとって最大の難関、二階の壁塗りです。
シャッターや押入れの塗装で多少なりとも自信をつけたとはいえ今回は約7坪分。面積が違います。幅もあれば高さもあります。
精神的にも体力的にも不安材料いっぱいのなか、いよいよ素人による本格的な塗装作業がはじまります。
はたしてうまくいくのでしょうか?(つづく)
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