第254話 優しい世界

一昨日、事業所から出向先に行く際の車内で(出向先には事業所のスタッフが送迎の車を出してくれ、仕事中も現場のケアをしてくれる)ごまが旅立ってしまった話をした。


皆、異口同音に心配してくれた。

かいちゃんは黙っていたけど、飴をくれた。


「出勤出来ただけでも偉いよ。辛かったら休憩しても良いからね。」


スタッフにはそんなことまで言われた。

昨日は甘いもの食べて元気出してとお菓子をくれた人も居た。


俺としては、ごまのことは個人的大ニュースではあるけれど、いわば世間話だったのだが。


以前、祖父の死去による忌引を申請した同僚に対し、


「そんな理由で休むやつがあるか!仕事なめるな!」


と怒鳴り付けた上司が居る会社に勤めていたこともあるから、今の職場環境は、ビックリするくらい優しい世界だなぁ…としみじみ思う。

環境を構成しているのが皆、何らかの理由で名称がつくくらいの障害を抱えていて、一般社会では多少なりとも生きづらさを感じている人たちと、その人たちをフォローするのが仕事の人たちだから、かも知れないが。

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