第253話 ありがとう、さようなら

昨日の朝、ごまと遊んだ時に噛まれた。

じゃれて遊びながら噛む癖があって、噛まれると痛い。

昨日は少し血が出るくらいだった。


だけど今後、ごまに噛まれることはない。

昨日の夕方に帰宅したときには既に、冷たくなってしまっていたから。


彼女が生きた1年と8ヶ月のうち、1年半の時間を、一緒に過ごした。

小さくてやんちゃで元気で機敏で何でもかじる、食べることよりも遊ぶ方が好きな子だった。


噛まれた痛みは覚えているけど、1日経てばもう痛くない。

今は残っている傷も、そのうち治ってしまうだろう。

暮らしていたケージの片付けも終わってしまった。


ごまは、もういない。

でも、一緒に過ごした時間は、記憶と記録に残っている。

思い出は、消えないから。


一生のうちのほとんどの時間を一緒に過ごさせてくれて、ありがとう。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る