第137話 フルタイム勤務

今月13日から内職を始めて、約2週間が経った。

全国の図書館や小中学校の図書室の本に、フィルムカバーシートをかけていく、と言う仕事内容だ。

これが、完全出来高制で、1冊10円。


最初の2週間は毎日20冊前後の仕事量だったのだが、今日から30冊に増えた。

と言うか、箱を空けたらいつもより多くてちょっと焦った。


他の内職をやったことがないので判らないのだが、この仕事に限って言うと、とても片手間に出来るものではない。

俺が不器用なのも相まって、今日は普通に8時間のフルタイム勤務だった。


ぶっちゃけ、同じフルタイムなら、普通に働いたほうが明らかに稼げるのだが、仕事をメインにいろんな条件が重なって心が折れたわけだから、今は心に負担がかからない仕事をしているんだ、と思うと(何しろ後ろ暗いところがまったくない)社会復帰のリハビリしつつ、ついでにお小遣いまでもらえちゃう環境は、素直に心地良い。

不器用なので(大事なことだから2回言った)この仕事が俺に向いているのかと言われると謎だが。

何しろ現状、1冊カバーかけるのに15~20分かかっている。

まさかの時給30~40円だ、薄給にも程がある。


それでも、仕事を中心に持ってくることで、日常にメリハリがつくようになった。

毎日14時ごろに集配に来るので、14時~22時まで働いて、23時~0時過ぎくらいまではのんびりタイム。

朝起きてから、シャワー浴びたり買い物行ったり、あるいはのんびりしていたり、二胡の練習していたり。

午前中を空けるようにしているので、月2回の二胡教室にも影響しないし、しろたん(足に腫瘍が出来てしまったハムスター2歳)の通院も余裕で動ける。

俺自身の通院も午前中だから、さほど仕事に影響しない。

・・・次から、カウンセリングの時間を変えてもらう必要はあるが(今までは14時~とかだったのだ)


今までのように思いつきでふらっと散歩、とかは出来なくなってしまったが、久しぶりの規則正しい生活は、なんだか懐かしくもあり、新鮮でもある。

また、週末には何だかんだと言いつつ、友達と遊ぶ時間もある。

週間単位で考えてみても、オンとオフがしっかりしているので、ありがたい。


社会復帰ってどうやるのかな、出来るのかな、とぼんやりと思いながら、先月までは過ごしていたが。

この2週間で、今がまさにリハビリ期間なのだな、としみじみとしている。

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