第110話 ヤンデレている友人のこと

たびたび出てくるヤンデレている友人だが、実はとある理由から、2年前にこちらから急接近したのがきっかけで、もともとはそこまで密な付き合いのある友人ではなかった。

それでも急接近してから、彼は我々夫婦に対し、とても親身になってくれているし、今後も夫婦ともどもお世話になっていくのだろうと思う。


「俺が親身になれるのも、キミたちが夫婦だからだよ」と彼は言う。

罹患当初は意味が判らなかったのだが、確かにそうだろうなと落ち着いてきた今なら判る。

彼は親身になってくれつつも、一定の距離を保っている。

発症後暫く、俺が寄りかかりすぎても、それを上手に受け流しながら、ヤンデレている友人は距離を変えなかった。

一定の距離から、冷静で公平に見てくれる第三者が居ることは、とても心強い。


ヤンデレている友人の、相方に対する評価は極めて高い。

相方も、彼を良き友人だと考えている。

また、俺がヤンデレている友人に頼れるのも、実は「相方が居るから」だ。

だから、相方と彼が仲良くしてくれているのは、俺としても嬉しい。


相方が相方じゃなかったら、ヤンデレている友人が彼じゃなかったら、そして俺が俺じゃなかったら、多分3人という不安定な人数の関係は、あるいは歪で面倒くさいものになってしまっていたかもしれない。

そうならなかったことに、そして今後もそれは変わらないであろうことに、本当に感謝している。

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