第67話 慰めの言葉は要らない

第66話を書いていて、ふと思ったことがあった。


俺がうつを周知したとき、皆普通にそれを受け止めてくれた。

それは今から思うに、受け止められるだけの器量と信頼関係があったのは勿論として、おそらく、俺の様子が「普通ではなかった」からじゃないかと思う。


だが、今は、一見普通に見える・・・と思う。

なので、例えば今までの俺を知らない人に、実はうつ病なんだ、と打ち明けたとしたら、もしかしたら、「大丈夫、そんな風には見えないよ(意訳)」のようなことを言われるかも知れない。


そんな風に見えるか見えないかの問題じゃない。

実際、俺は今、うつ病患者なのだ。

それを例えば上記のような言葉で返されたら、非常に何というかこう・・・もやもやしてしまう。


例えば。骨折した人が「骨折しちゃった」と言えば、「言われなくても判る」と返せるだろう。骨折している事実を、当たり前に受け止められるだろう。

そこでは間違っても、「大丈夫、そんな風には見えないよ(意訳)」などの言葉は出ないはずだ。


「そんな風には見えないよ」は、はっきり言って見当違いも甚だしい。

それをもし、慰めの言葉として用意しているのなら、手放してほしい。

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