第26話 ぶっちゃけ、うつは何なのか

うつは「心の風邪」だという表現がある。

それが正しいかどうかは判らない。

だけど、個人的には、それはどうもしっくりこない。

たかが風邪で2年も患ってたまるか、と言うのがその理由だ。

中にはもっと長い間苦しんでいる人だっているだろう。

でもだからと言って、じゃあ特別なのかと言われたら、そんなこともないと思っている。


たまたまなのかも知れないが、俺の周りには過去に罹患した人、今患っている人が何気に多い。

各々がいろんな方法で乗り切ったり、闘ったり、共存したりしている。


うつの症状は千差万別だから、当然対処も千差万別になる、当たり前だ。

だから、俺のこのエッセイだって、もしかしたら役に立つかもしれないし、あるいは何の役にも立たないかもしれない。


今の俺にとってのうつは、闘うものだ。

だけど、うつ罹患者の全員にとって、必ずしも闘うものなのかと問われたら、それはどうだろう、何とも言えない。


例えば、うつの人に「頑張れ」と言葉をかけてはいけない、と言う格言があるが。

それだって、時と場合と人によっては、必要な言葉なのだ。

今の俺をもし応援してくれるなら、「頑張れ」と言って欲しい。

踏ん張りどころだと思っているからだ。

そして、頑張れると思っているからだ。


だから俺は、頑張って闘う。

でも、頑張れない人だっている。

その人に、「頑張れ」は確かに酷だ。


結局何が言いたいのかと言うと、「誰でも罹患する可能性がある」ものであるのと同時に、「すべての人が同じではない」ものでもある、と言うことと、俺は頑張る、と言うことだ。

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