第8話 音楽を聴いてみる
大好きだった音楽(メタル)が聞きたくなくなって2か月くらいが過ぎたころ。
相方の運転で、どこに出かけたのだったか。
車内では音楽をかけるのが習慣になっており、自主的には聴かなくなったけど、流れているものが嫌なわけではないから、車にCD積んで。
そのとき、気が付いた。
とある好きなバンドがあるのだけど、その歌、口ずさんでいた。
ずっと聴けないと思っていた、音楽。
好きだった音楽。
それが、歌えている。
我ながら、衝撃だったし、嬉しかった。
出来ていたことが出来なくなって、だけど、また出来るようになった。
これは大きな1歩だった。
翌日、自主的に別のバンドの音楽を実験的に聞いてみた。
それは、鬱を発病する前に買って、数回しか聞いていないCDだった。
前日と同じ音量でかけた。
音が小さいと思った。
音量を上げた。自分が気持ちいいと思うところまで。
聴き慣れていない音楽を。
自主的に、聴けた。楽しめた。
前に大好きだったものが楽しめなくなった約2か月間、ホントになんか、寂しい感じがしてた。
前は好きだったのに、大好きだったのに。
もう聴けないのかなぁって、しょんぼりしてた。
あと、楽しかったことが楽しくなくなったことで、今はまだ楽しいと思えていることも、今後はどんどん楽しめなくなっちゃうのかもしれないって不安も大きくあったし。
だけど、そんなこと、なかった。
音楽を再び楽しめた。
本当に、嬉しかった。
ちょっと泣いたのを覚えている。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます