第14話 神語(かんがたり)

 国造りを進めるなか、オオクニヌシは八千戈神ヤチホコノカミという別名で、たくさんの女とセッ○スしまくった。


 ヤチホコは根の堅州国から連れ出したスセリビメを正妻とした。

 気の強いスセリビメはセッ○スも激しかった。

 あらゆる体位を交えながら、ふたりは獣のように求め合った。

「オーイエ、オーイエ、オウオウオウ」

 スセリビメは自慢の金髪を振り乱し絶叫とも取れる喘ぎ声を放った。

 連日その声は出雲国中に響き渡った。


 八十神を殺しまくった興奮から冷めやらないヤチホコはスセリビメだけでは飽き足らず、因幡から婚約中のヤガミヒメ呼び寄せ、これまたガンガン攻めまくった。

「んふんふ、んふんふ」

 ヤガミヒメは加○鷹に匹敵するヤチホコの絶妙な腰使いに耐えながら、静かに快感を楽しんだ。

 しばらくして、ヤガミヒメは身体の異変に気づく。

「もしや」

 薬局で買ってきた妊娠検査薬を見つめヤガミヒメはつぶやいた。

「だから中出しはダメだって言ったのに」

 結果は陽性であった。


「私の男と承知の上で寝取るとは、おのれエエ根性しとるの」

 ヤガミヒメがヤチホコの子供を身篭ったことを知ったスセリビメは激怒した。

「覚悟はできとるんやろなっ」

 スセリビメの嫉妬は凄まじいものだった。

 ヤガミヒメは無事木俣神キマタノカミを出産したものの、このままでは確実に殺されると悟り、子供を残して因幡に帰っていった。


 女たちの争いを眺めつつ、それでもヤチホコの性欲はとどまることを知らなかった。

 高志国(越国)に沼河比売ヌナカワヒメという美人がいると聞き、ヤチホコは遠路はるばる訪ねて行った。

 ふたりはすぐに意気投合する。

 ヌナカワヒメの艶かしい腰つきに我慢できないヤチホコはいきなり飛びかかった。

「ちょっと待って」

 ヌナカワヒメは引き出しから怪しげな錠剤を取り出しヤチホコに手渡した。

「これ飲んで。忘れられなくしてあげる」

 そうささやくと、ヌナカワヒメは自分も錠剤を口に含んだ。

 クスリをキメたセッ○スの快感は半端なかった。

 ドラッグに手を出したヤチホコは時間も忘れ無限の快楽に酔いしれた。

 そして、建御名方神タケミナカタノカミが生まれた。


 ヌナカワヒメとの異常なセッ○スに少々疲れたヤチホコは久しぶりに帰宅した。

 家では嫉妬に狂ったスセリビメがヤチホコを待ち構えている。

「あんた、こんなに長い間どこ行ってたのよっ?」

 スセリビメは目を吊り上げてヤチホコを責め立てた。

「キーキーうるせーな、どこでもいいだろ。俺の勝手だ」

 口うるさいスセリビメにヤチホコはうんざりした。

 居心地の悪さにヤチホコが家を出ようとすると、

「あんたはそこら中に女がいて、それでいいでしょう。でも私は……」

 スセリビメは急にしおらしく言った。

「私はあんたしかいないの」

 スセリビメはヤンキーのくせに、貞操だけは固い律儀な女だった。

「お願い、抱いて」

 スセリビメは意地を捨て目を潤ませながら哀願した。

 ヤチホコはこんなスセリビメを愛しく想い、また自らの行動を深く反省した。

 そしてふたりは仲睦まじく一緒に暮らしたのだった。

 末永く。


 と思わせておいて、

 その後もヤチホコは浮気をしまくり、

 多紀理毘売命タキリビメノミコト(※「誓約」参照)との間に、

 ・阿遅鋤高日子根神アヂスキタカヒコネノカミ

 ・高比売命タカヒメノミコト下照比売シタテルヒメ

 鳥取神トトリノカミとの間に、

 ・鳥鳴海神トリナルミノカミ

 神屋楯比売命カムヤタテヒメノミコトとの間に、

 ・事代主神コトシロヌシノカミ

 が生まれた。

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