バベルの塔

「そういえばそろそろお湯が沸いた頃じゃないかな?」

ハッと気がついたエリックが、小さい顎で室内を促す。


「あらやだ、いけない。忘れてた!」

バタバタと部屋の中へと駆け込むと、コンロは既に止まっていて、先ほど並べておいたふたつのティーカップ容器には、アツアツのアプリコット・ティーが注がれて、華やいだスウィーティな香りがあたり一面に漂っていた。


ウチのゴーストさんたら・・・もしかして意外と気の利く方なのかも?

ついでに洗い物もしてくれないかなァ。なーんてお願い事をしてみたりして。

ちょっと図々しいかしら?


私はキッチン棚の中にお茶菓子用のマドレーヌを見つけると小さくカットして小皿に載せ替えた。

さあていよいよ、楽しい楽しいお茶会の始まり始まり♪




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