私をオーディションに連れてって
「私にアリス役が上手に務まるかの自信はまったく無いけれど、あのおふたりには是非また会ってみたいわね。」
待合部屋で私はハリネズミに話し掛けた。
「君ならそう言うと思ったよ、アリス。その想いはきちんと言葉で伝えるべきだ。」
ハリネズミは優しく頷いてくれた。
「そうだわアリスで思い出した。あなたのお名前は?」
「ボクはハリネズミのエリックだよ。あらためましてよろしく。」
「こちらこそよろしくねエリック。そうだわ、お近づきの印にこれから私のお家でお茶でもどうかしら?」
「そろそろティー・タイムの時間だし、いいアイディアだね。とくに予定もなかったのでこの後どうしようかと考えていたところさ。」
「ちょうど良かったわ。では行きましょう!」
待合室の壁掛け時計は、ちょうど3時を打つところだったが、実は時計が止まったままになっているのには、私もエリックも気がつかなかった。
まったく手が混みすぎよね。
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