私をオーディションに連れてって

「いちマネージャーには、無理ですわ!私の役は結構です。でも、どうか彼には正当にオーディションを受けさせてくださいな。」


「まあいい。でもきっとキミはアリスになるよ。」


「よかろう。でもハリネズミくんにはオーディションは不要だ。彼はボクのハートを掴んだ。」


「その通り。だがきっとキミもアリスに違いない。キミもボクのハートを掴んだ。」


「有り得ませんよ。」

私は謙遜して言った。


「螺旋の塔は、パラドクスだ。定められた決まりごとからは逃げられない。」

マッド・プロデューサーは言う。


「螺旋の塔は、クラインの壺さ。キミは、運命の迷路を廻り続けるしかない。」

続けて、マッド・ディレクターが畳み掛ける。


「そのパラドクスっていうのは、何なんですか?」

さっきから度々出てくるフレーズが気になって仕方ない。


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