私をオーディションに連れてって

「おや?可愛らしいお嬢さんもオーディションを受けるのかな?」

真っ黒なスーツ姿の男が尋ねる。


「イイね!実にイイ!」

白いスーツ姿の男も即座に同意する。


「いえ、私は彼のマネージャーとして立ち会いだけで・・・」


「そうなのか?いやはや勿体ない。キミはボクのイメージにピッタリなのに。」


「うむ、ボクのイメージにもピッタリだ!」


“流石双子ね、息が合う。きっと一卵性の双生児だろうな。いや、そんな感心してる場合じゃないわ。”


「いえいえ光栄ですが、どうぞ彼のオーディションを続けてくださいな。」


「そうかい、実に残念だな。よろしく、ボクはマッド・プロデューサーだ。」

黒いスーツ姿の男が挨拶する。


「そうだな、誠に残念だな。よろしく、ボクはマッド・ディレクターだ。」

白いスーツ姿の男が挨拶する。


「よろしくお願いします。」

ハリネズミと私はペコリと頭を下げた。




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