私をオーディションに連れてって

待合部屋に着くと、私たちより先にいたアルマジロとヤマアラシが座っていた。


一体、どんなオーディションなのやら?

想像すると楽しくなってきた。


「オーディションの間、私も中へ入れてもらえないかしら?」

好奇心でいっぱいで私は頼みこむ。


「邪魔しないなら、ボクは別に構わんがね。そうだな、キミはボクのマネージャーってことにすればいい。」


「いいの?どうもありがとう!」


「どういたしまして。幸運の女神になって、ボクの合格を祈っていてくれ。」


「そうするわね。」


そこへちょうど彼の番が来て、別部屋へと呼び込まれた。

その際、私の入室許可も取ってくれ、すんなり入れてもらえることとなった。


「よかったわ。ホントにありがとう。」


「なあに。礼には及ばないさ。おかげでこっちも緊張せずに臨むことが出来るってもの。」

社交辞令でなく、気負いのない顔でハリネズミは言う。(まぁ実際問題、私にはハリネズミの表情は、よく分からないんだけど。)




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