シャドウバース攻略 パワードラゴン編
やあやあようこそ皆の衆。聞け!
巷ではテンポエルフだのエイラビショップだの、
「簡単!」「強い!」「メタりにくい!」の三拍子が売りの、
誰でも使える便利なデッキレシピが出回って、
誰もかれもそいつを手にしてランク戦を急ぎ駆け上がる始末、
恥ずかしいとは思わんかね?
ああ、これも日本人の悲しい性というやつでありましょうか。
いいかい、君たちは勝つためにゲームをやっているのではなかろう?
ゲームは勝たねばならぬものじゃなかろう? 勝敗がつくのはあくまで手段だ。
「エエ、勝敗が手段だって? 何のための手段だってんだい?」
そりゃあもちろん、遊ぶためのさ。
ねえ、スポーツだって勝敗がつくのは、勝敗をつけねばならないからではなく、選手が自己を鍛錬したり作戦を洗練するための目標として、手段として設定されているのじゃないかい。
たとえば野球で、勝っている試合の終盤に雨が降り始めたとき、普通の紳士的スポーツマンなら多少なりとも試合が最後まで進行できるよう努めるものだが、
スポーツの価値を勝敗に重く置きすぎる倒錯的な者は、むしろ試合を遅延させて中断によって確実に勝利しようとする。
ねえ、そんなものが見たいんじゃないし、選手もそんなことがしたいんじゃないんだ。
イカサマで勝ってもそれは負けなのさ。例えルールが勝ちだと言おうと、誰がどう決めようと、君の良心、一人ひとりが真相を見てみれば、戦わなければそれは負けなのさ。
つまり何が言いたいか?
人のデッキをまるっと真似しているうちは、まだデッキビルドでは勝っていない、
勝負すらしていないのさ。
人のデッキを真似して勝っている者は一体何に勝負して何の力によって勝っているか。
プレイングが優れているのは確かに君の誇りだ、しかしデッキビルドに関しては、
ただ勝てそうなデッキを選ぶ目がある、それ以上のことはない。
一体、シャドウバースの楽しみのうち、デッキ構築という遊びを捨ててしまって、いいものかい?
僕はちょっともったいないと思う。
強迫的な僕だから、たかがゲームにこんな荘厳な話を持ち込んで、こうすべきだとかこうあるべきだとか話しているが、
僕が奇妙なのはあくまで程度の問題、本質的にこれを問題だと思っているのは君たちとそう変わらないと思う。
でこの文章は結局何なのか?
拙いデッキビルダーである俺の拙いデッキ、
クソみたいな創作デッキを見てほしくて書き始めたのだ。
その名もパワードラゴン、
パワーですべてをねじ伏せるシンプルなデッキだ。見よ!
事の発端は竜の託宣を打ったあとの次の動きがないことに気づいたことだ。
2PPで託宣を打ったら次は4PPになる。
4PP、普通のドラゴンならドラゴンウォーリアとリヴァイアサン、
最近ならジークフリート、竜の知恵あたりだ。
しかしいまいち弱くないか。もっと盤面を制圧できるカードがあってもいいのではないか。
そう思っていた時一枚のカードが俺の前に光り輝いて現れた。
「デスドラゴン 4/4/4 効果なし」
これだ! 託宣デスドラゴン、4ターン目に4/4/4が動き始める。
この動きを止められるデッキはほとんどあるまい。
かくして、託宣3枚とデスドラゴン3枚からパワードラゴンが組まれ始める。
次に、ひとまず託宣から入ったときに綺麗な動きができるようにしようと思った。
つまり、託宣を打ってデスドラゴンを出した後の動き、有利なら展開し、不利なら除去する、その動きをいつでもPPを使い切ってできるようにしようと思った。
まずは展開だ。デスドラゴンは効果を持たずステータスが高いカードである。
有利に展開するには展開への対処法をひとつに絞るのがいい。焦点の歩というやつである。
つまりデスドラゴンで有利が取れた後の追撃は、ライトニングベヒモス(5/6/6デメリット有)、アイランドホエール(6/5/7効果なし)、ネプチューン(7/5/5+2/2)、インフェルノドラゴン(8/8/8効果なし)が適任である。こいつらを投げていくことで押している盤面を終始押し続けることができる。
次に不利な局面でのカード。上記のカードでも進化によってある程度除去はできるが、それでも追い付かないときのために。
まずは4コストにジークフリート。ドラゴンウォーリアでも悪くないと思うが終盤強くしたいのでジークフリートで。ドラゴンウォーリアだと速攻相手に序盤凌げるようになる。
5コストはゴブリンマウントデーモン。速攻対策でもあるし展開としても強い、いいカードである。といっても5コストは他にろくなカードがなかったので仕方がない。
6コストはああ哀しや、ドラゴンガード。6/5/6、覚醒したら守護になる。悲しいかな他に選択肢がない。なぜかドラゴンは盤面にアドバンテージを形成するのが下手なのである。
7コストはドレッドドラゴン。これは文句なし。環境によっては氷結のドラゴンを1枚入れてもいいかもしれないが汎用性ではドレッドドラゴンである。
ここまでで最低限の動きが保障できた。
有利なとき用のカードを各3枚、不利なとき用のカードを各2枚入れる。
まだデッキは埋まっていないがここで勝利プランを確認する。
基本は託宣からでかいカードを連打して8,9ターン目にはライフを削りきるのである。最低限の勝ち筋は存在している。
では負け筋は?
ひとつ、速攻相手に展開が追いつかないとき。
ふたつ、中速の相手に展開を処理されて盤面を奪われるとき。
みっつ、低速の相手に展開を処理されて手札が切れるとき。
ふたつ目、みっつ目への対処は「連なる咆哮」で同時にケアできる。と思う。
ひとつ目ばかりはどうしようもない。相手が事故ることを祈ってゴブリンマウントデーモンを投げるだけである。氷結のドラゴンでなんとかなるのかしら。
ああ、ドラゴニュートフィストを入れよう。2枚だ。
それから託宣を引けないときのためにアイラを入れよう。マリガンは託宣とアイラ以外全て戻すかんじで。
以上。デッキ完成したのでは。
眺めてみよう。
パワードラゴン内訳(枚数は特筆の無いものは3枚)
PPブーストカード
託宣、アイラ
展開用ドラゴン
デスドラゴン、ベヒモス、アイランドホエール、ネプチューン、インフェルノ、連なる咆哮(2枚)
不利なとき用フォロワー(各2枚)
ジークフリート、ゴブマウ、ドラゴンガード、ドレッドドラゴン
除去スペル
ドラゴニュートフィスト(2枚)
マナカーブは以下の通り。上がコストで下が枚数。
23456789
53556522
7枚足りないか。
さすがに低コストが少なすぎる気がする。
適当に新パックからパワーカードを投げる。
ムシュフシュと鉄鱗の竜人かな。
あと散々言ってた4コストのフォロワーを増やそう。展開がデスドラゴンだけでは足りない。
託宣から入るにしろアイラから入るにしろ、4コストのカードは必要になるので、
(託宣の場合2→4→5→……)(アイラの場合3→4→6→7→……)
リヴァイアサンでも入れておこう。
枚数はムシュフシュが3枚、鉄鱗が2枚、リヴァイアサンが2枚。
これで完成。
ランク戦へ行ったところ、確かにデスドラゴンはそれなりに活躍したし、
託宣デスドラゴン→ベヒモスなんて動きが決まったら完全にワンサイドゲームだった。
しかしプレイングが。難しい。
こちらに選択肢がなさすぎるのである。
できることはでかいフォロワーを投げるかやや小さめのフォロワーを投げるか、
攻撃するにしろ相手の1匹を処理するにはこちらの4点や6点を諦めることになるから、
ひとつも判断をしくじれない。
シャドウバースの基本である「盤面を処理するか? それとも本体を叩くか?」の問いが、
これほど重くのしかかってくるデッキもまあ少ないだろう。
シンプルな見た目だが勝つには相手のデッキへの理解が必要になる。渋い。
ということで使ってみてください。
詰将棋みたいな試合が楽しめると思います。おすすめ。
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