ハースストーン物語 あるハンターの夢②

ワン・ナイト・イン・カラザン!

新しいアドベンチャーだ!万歳!

さあ、新カードはいったい僕らのクソデッキ(ミルローグを筆頭にハンドレスハンターまで)を強化してくれるのでしょうか!


《覆面の女ハンター/Cloaked Huntress》

3コスト 3/4

自分が使用する秘策のコストは(0)。


ああ!なんということだ!

パワーカードの匂いがぷんぷんする!

普段パワーカードを見ると逆に「めっちゃ強そうに見えるけどそこそこくらいだな」とむしろ気持ち弱く見積もってしまう自分が(?)、

こいつばかりは強い、やばいと震えている!

そして同時に!

強いが、シナジーがない!そう気づいている!


かつてミスチャレが流行したのは、

プレイングが簡単だったからである。

ミニロボ、サイエンティスト、マスバト、シュレッダー、適当に放り投げて盤面が有利でも不利でも強いというカードがいくらでもあった。

マナカーブ通りにミニオンを投げてトレードし、盤面五分以上のところでミスチャレを出すと、ゲームが終わる。

ひどいデッキであった。格ゲーで言うなら豪鬼みたいなキャラであった。

みんなががんばって対策してなお活躍できるというえぐいデッキであった。


では今回のハンターはどうか?

一気に秘策を貼れるのはいかにもミスチャレ感あるが、

「デッキからではなく手札から貼る」

という点が違う。それから秘策の質がちょっと違う。

使ってみた感想でいうと、一気にぶぁあっと貼ってもそんなに強くない。

すぐに息切れしてしまう。

貼って1、2ターンは有利なのだが、それが五分に戻り不利に覆されるまでに殴りきれない。

適当に使うには難しいカードである。



そこでこの花京院典明は考える。

こいつの強みとカバーすべき弱点とは?

実質的にこいつの能力はマナを得る能力である。

カードアドバンテージは得ていないし盤面に1点も出していない。

ただ手札を早く使うことができるというだけの能力である。

しかもその形態は秘策、すなわち除去である。


こいつを生かす方法はふたつある。

ひとつ、手札が切れ息切れする前に殴りきる。つまりアグロデッキにする。

レシピを見たことがある。ヘビの罠が2枚入っていて、ナイフジャグラーとダイアウルフリーダーが入っていて、なんというかハンター版zooみたいなデッキである。

それでレジェンド上位までいったデッキらしく、見てなんとなく嫉妬してしまった。


しかしここにもうひとつの方法がある!

すなわち手札が切れることをメリットと転ずる方法、

ハンドレスハンターを組むことである!


《速射の一矢/Quick Shot》

2コスト 呪文

3ダメージを与える。自分が手札を1枚も持っていない場合、カードを1枚引く。


こいつは有名だ。みんな2マナ3点の呪文として使っている。

だが手札が切れているときに使えばカードをドローできてしまう。2マナ3点1ドロー? なんというオーバーパワーカード! もちろん普通はめったに発動しない。


「自分が手札を1枚も持っていない場合」限定で強力な効果を持つカードは他にも2枚ある。


《勇敢なる射手/Brave Archer》

1マナ 2/1

激励: 自分が手札を1枚も持っていない場合、敵のヒーローに2ダメージを与える。


《コア・レイジャー/Core Rager》

4マナ 4/4

雄叫び:自分が手札を1枚も持っていない場合、+3/+3を得る。


一体どうやって使えばいいのかわからないカードたちである。

勇敢なる射手は序盤に引けば1/2/1として殴り、

後半に引けばいわば挑発を貫通する突撃のように機能する。

非常に地味な効果だが。


コア・レイジャーのほうは普段は置物のような4/4/4だが、

手札がなければ7/7になる。

こいつは特殊なカードである。4ターン目に7/7で出ることはまずない(実はデッキの他のカードを全部1マナにするとちょうど後攻4ターン目に出るが)。

こいつは4から7ターン目くらいまではただの4/4/4で、後半手札が切れるまで持っておけば突如大型ミニオンになるというカードである。

いわばドルイドの『選択』、どっちで使っても微妙に弱いがいくつもの役割を持っているというカードである。

デッキスペースのうち4マナミニオンと大型枠を兼ねることができるという、実はすき間産業的なカード。しかもその大型を出したい後半に手札が切れるデッキでなければならない。


さて僕が一体何を言いたいか?

ドローソースの代わりにこいつらハンドレスカードを採用しようというわけである。

そういうわけで僕の組んだデッキはこちらである。

胸を張って言うがまだランク17あたりでうろついている。



【ハンドレス・シクレハンター】

勇敢なる射手

魔力異常体

秘密の番人

王のエレク

戦利品クレクレ君

覆面の女ハンター

コア・レイジャー

サバンナ・ハイメイン


イーグルホーン・ボウ

狩人の狙い

速射の一矢

殺しの命令

凍結の罠

狙撃

ヘビの罠(1枚)

爆発の罠(1枚)



1枚、と書いてないものは2枚ずつ入れている。

書き上げてみたがプランが定まっていなさすぎて苦しい。

バランス型のデッキで好きなカードを詰め込んでるだけなので強くはないです。

たぶんハンターは荒野の呼び声二枚入れておけば後半戦どうにかなるので、

ハンドレスカードを抜いて荒野を二枚入れましょう。

僕のレシピにないのは持ってないからです。

あとドローソースの代わりにハンドレスを、とか言ってるくせにクレクレ君も入ってるのはやっぱりドローが欲しかったのと2マナが欲しかったからです。許して。


よく見る勝ち筋はヒロパとかで削りまくって20点切ったところをハイメインとキルコマンドと勇敢なる射手と武器で殴りきるところ。

コア・レイジャーはごくごくたまにハイメインの代わりになる。

いつもはゴミみたいな4マナ枠としてあと獣としてキルコマンド発動役として働いている。獣かつ4マナかつハイメイン引けないときの大型というすごい過労死しそうな役割を持っているがどの場面でも半端で大したことないのでどうなんでしょう?


このデッキ使ってて一番楽しいのは勇敢なる射手で相手の顔面をボコボコにしてるとき、

それから適当に秘策貼りながら相手の盤面を体力2以下に揃えて、いかにも爆発の罠貼りましたっていう風に見せかけて、無駄な動きをさせ、いざ殴ってみたらヘビでしたというとき、

それから狙撃でアジュアドレイクをぶち抜いたとき。

逆に苦しいのは狙撃で鬼軍曹をぶち抜いたとき、

うまく調節して爆発の罠を貼ったもののアルガスのバフを受けて殴りかかってきたとき、

シャーマンの高品質なミニオンの山に押しつぶされているとき、

ヘルス4のミニオンを除去するために殺しの命令を切るとき、

レノ・ジャクソンを出されたとき。


どう考えてもいまのところアグロ型のほうが強い。

俺は俺でこのデッキの、特にコア・レイジャーの強みを研究していきます。

ありがとうございました。ランク上がったら報告します。



追記

Hearthpwnというデッキ投稿サイトを見てみたら、

覆面の女ハンターを用いた約400デッキのうち、

コア・レイジャーが入っているものはたった10程度、

勇敢なる射手を入れているものに至ってはひとつもなかった。

これは俺の仕事であろうか。

研究がはかどりそうだ。

文学はどうしたという声が聞こえてきそうだが、それはそれで。

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