第5話 <異境の序曲> その2

           ④

   土土土土土土土土土土土土土土土土土土土

   土土土土土土土土土土土土土土土土土土土

   土土土岩土土土土土土土土土土土土土土土 

   土土土土土土土土土土土土土土土土土土土

   土土土土土土土土土土土土土土!土土土土

  ②僕土土土土土土土土土土土土土土土土土土③             

   土土土土土土土土土土土土土土土土土土土

   土土土土土土土土土土土土土土土土土土土

   土土土水水土土土土土土土土土土土土土土

   土土土水水土土土土土土土土土土土土土土

   土土土水水土土土土土土土土土!土土土土

   土土土土土土土土土土土土土土土土土土土


僕は案山子を倒したことに意気揚々としてフロアに戻った。


何もいなしとりあえず落ちている物を拾おう。


正面に歩いて行くと。


なんだこれゴーグルだ。スキーとかでもやるマップが出てくるのかな?


とりあえず装着してみよう。 カシャ


「うおおお。なんだこれは」


フィールド上に突如、升目のような線が出没した。


僕は右往左往して見る。


なるほど。1マスごとに動いてるってことだったのか。


将棋の板を想像し見てほしい。まるでそのままだ。歩兵とは違い横斜めに進めるって意味では僕は王だな。ハハッ☆


てことで斜め移動もできることを発見した。機動性アップだな。


部屋②から右側に位置する場所にも何やら落ちていた。


卒業証書をしまっておく筒のようなものだ。筒には動物のような彫刻が彫られている。


開けてみてもいいが突然、大量のモンスターが出現なんてトラップだったりしないよななんて猜疑心が溢れる。


まあ低層から高度なトラップ仕掛けるバカはいないだろう、僕は筒を開けた。


『助っ人召喚したければ、以下の文を読み上げなさい。有効回数1回

[いでよ神の化身よ。今この姿をご覧になりたいぞよ] ※言い間違えると有効回数を1消費します。注意してください』


助っ人ってなんだ。仲間召喚できるってことかそれなら今すぐにでもほしい。その助っ人が強力なら、僕は助っ人を矢面に立たせて、応援に徹したいものだね。


てか言い間違えると駄目なのか丁寧に読まないといけないな。


そして僕はゴーグルを装着したまま1フロア各部屋を巡っていった。


案山子がまばらに現れるものの、馴れてきたもので数発の痛みを我慢すれば殴打で突破できる。


敵が粉塵と化す瞬間がたまらなく気持ちよく痛みを忘れさせてくれるのもモチベーションにつながる。


チュートリアルの時に出てきた、うんこ野郎も出てきたけど。相変わらずくささに鼻が行かれそうになるが、突破した。


1F 最終部屋と思わしい部屋に入った。


なぜ最終かと言うと、僕は今まで部屋の位置と通路の位置を脳内に描きながら歩いてきたからだ。故にここ以外に回っていない部屋は存在しないってわけだ。


部屋中央に螺旋階段そのものがある。真上から太陽の木漏れ日を受けるように幻影的な感じになっている。


ダンジョンだから当然のぼっていくことになるんだろうな。


螺旋階段から目をそらすと、部屋の端の方に何か落ちている。


僕は升目最短コースを駆使し進む。


おお。これはカタナ? 


鞘がなく露骨にむき出しになった剣は錆一つなく、刃の部分はいかにも切れ味のよさそうな風貌である。


僕は拾うと、素振りを何回も行った。


おう!せいや!FOOO!


これで案山子。うんこ野郎共々一網打尽に食らわせれるな。


ダンジョン戦国無双の開幕だぜ。


僕は前途洋洋とした未来を確信し、階段に足を延ばす。


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