第6話 無茶振り
「もう…もう無理…です……。休ませて…くだ…さい……」
息も絶え絶えの私と違って、ザカムさんは顔色1つ変えずに答える。
「未だだ!限界感じてるうちは伸びない!早く立て!もう一度だ!」
かれこれ2時間近く、ザカムさんの稽古は続いている。稽古、と言っても実際ひたすらにやられているだけだ。昨日初めて剣を持ち、今日初めて振るう人間相手とは考えられないような速い剣を、ザカムさんは私に打ち込み続ける。受ける事すらままならない。
「よし、この辺にする。明日までに自主練して、せめて一発ぐらい当ててくれよ」
立ち去るザカムさんを最後に、私の意識は途切れた。
いや、どう考えてもザカムさんは私を殺す気でしたって。意識すら保てない稽古ってどんなのですか、まったく……。ザカムさんなりに私を思ってくれてるんですよね、ね?
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