第5話 深夜の約束

 「おいおい、本当かい?……コンスタンシェ、君本当に魔法は初めてなのかい?」

 「はい…覚えてる限りでは……。あの、すみません、壊しちゃったらどうすれば……」

 「あぁ、大丈夫だよ。宿には適当に言い繕っておくからね。それより、この魔力は凄いね。硬化の術式をかけたのにそれを簡単に粉々にしちゃった。見てたけど、ムドラは魔導書に書いてある通りだったし、純粋に君の魔法適正みたいだね」

 「魔法適正?えっと、魔法に向いているかどうかって事ですか?」

 「そういう事だよ。全く適正の無い人もいるし、逆に君みたいに天性の才能とも言うべき資質を持った人もいる。取り敢えず、魔法の使い方はこれで分かっただろう?今日はもう休んだ方がいいよ。隊長、明日は剣の稽古だ!って張り切ってたからね」

 「剣ですか……。ザカムさん、普通の人じゃ無いですよね?あの人の剣技、普通じゃ無いですよね?」

 「まぁ、隊長は……おっと危ない、言わない約束だった。流石に稽古は大丈夫……だと……思う…よ?」

 「え?なんでちょっと不安そうなんですか?」

 「それを聞く時間で身体を休めた方がいいって事かな。早くお休み。魔法は明日の夜、少しでも元気が残ってるなら僕が見てあげるから」

 「うぅ……、ザカムさんが怖く思えてきましたよ…。でも、頑張りますよ!だから明日は魔法教えてくださいね!それでは、お休みなさい!」




ザカムさん、かなり厳しい人なのかなぁ……。怖いですけど頑張りますよ!魔法を使いこなせられれば、商隊に貢献できますから!

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