運命論.2
『きっと神様はいて、そして――自分の中に神様はいて、良いことをしたら気持ちが良いのは、自分の中の神様が喜んでいて、悪いことをして嫌な気持ちになるのは、自分の神様が嫌がっていて、それで自分では運命に逆らったつもりでいても、逆らうことも、もう決まっていることなのかもしれない。いつ死ぬかも、もう決まっていることなんだ』
おそらく、私の記憶の中で一番古い運命論だ。五歳児くらいだったはずなのに、この頃の私が一番冴えていたのではないだろうか。
神の存在も、その頃の私の中のイメージでは宇宙の真ん中にいる、というものだった。
まさに大日如来、真言宗のイメージに近い。
今、私は週に何日かを寺で過ごしている。この寺の本尊が不動明王であり、大日如来の化身の姿だ。
還暦を過ぎてたどり着いた職場が、五歳の幼いイメージに程近いものだったとは。
やはり運命的な筋書きを感じないわけにはいかない。
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