2話 人物画を描こう!
マジカル☆サナちゃん
夕食を食べ終えて、お風呂に入る。
お風呂から上がると、パジャマに着替えて歯を磨く。
時計は、9時を指している。夜の9時は21時とも言う。
1階廊下の突き当りのドアを開けると、調理場が見える。緑のタイルで出来た壁に、銀色の調理台やコンロが並ぶ。
「おやすみなさい。お父さん。お母さん」
私の家の半分は、喫茶店で出来ているので、お父さんも、お母さんも、この時間はまだ お仕事中。
「もうそんな時間か。早く寝るんだぞ」
「はーい」
挨拶を終えると、調理場を後にして二階へと上がる。木で出来た階段と床は、真新しい黄色。改装したばかりの家は、まるで新築の家の様。水奈ちゃんの家は、焦げ茶色の木造だったので、大分古そうな感じだった。
自分の部屋に戻るとまずは電気を付ける。床はピンクのカーペットが敷かれていて、ベランダにはピンクのカーテンが掛かっている。部屋の角には勉強机と本棚、その隣にはベッド。ベッドの対面には、液晶テレビがあり、寝転びながら見る事ができる。
目覚ましを、1:00にセットして、電気を消し、ふかふかのお布団に眠る。
………………。
『んんwww目を覚ます以外ありえないwwwんんwww』
眠りに着いた頃に、目覚ましは鳴る。『役割論者めざまし』の声が聞こえると、身体を起こして、リモコンでテレビの電源をつける。
『魔法少女マジカル☆サナ! 颯爽と登場!』
キラキラした効果音と共に、可愛らしい声がテレビから聞こえる。
毎週木曜日の深夜には、『魔法少女マジカル☆サナちゃん』が始まる。まだ一度も見逃してはいない。
水色のポニーテールに、水色と白で彩る可愛らしいドレスは変身後の姿。
魔法のステッキは青色で、所々に金色の縁取りが付いていて、とてもきらびやか。先端にはサファイアの様な濃紺の宝石が、更に輝きを増している。
前回は、豚の怪物が子供達を人質に取った所です。
『ブヘヘ! 来たなマジカル☆サナよ! 我が名はドドンゴー四天王の一人オーク様だ!』
なんと、この豚さんは四天王の一人だった。圧倒的なパワーでサナちゃんは捕らわれてしまった。
ロープで縛られたサナちゃん。ドキドキハラハラ。
『ブッヘッヘッヘ! 身動きがとれまい! さてどうしてやろうか?(舌なめずり)』
『く、……殺せ!!』
『ブヘヘ! 望み通り殺してやるわ!』
オークは、手に持っている斧でサナちゃんに振り下ろす! 危ない!
『マジカル☆ライト!』
何と、サナちゃんは、物凄い光をその身に放った。その光にオークは目を眩んだみたい。
光は身体を縛っていたロープを焼き尽くし、そして立ち上がった。
「とどめよ!! マジカル☆アクアリミックス!!」
マジカル☆サナちゃんの必殺技! ステッキをオークに向けると辺りの物質が水と混ざる。その
「おのれぇ! マジカル☆サナよ! ぐあああ、ブクブク……」
こうして、サナちゃんはオークとの闘いに勝利して、子供達を助ける事に成功したのです。
次回に続く
ああ、やっぱりサナちゃんカッコイイな! ピンチの時でも、弱い所を見せない! 魔法少女のお手本になる。はだけた衣装も、ちょっとえっちぃ。
マジカル☆サナちゃんも見終わったので、もう一度寝る。
…………完全に目が覚めてしまい、なかなか眠りにつけなくなった。
しょうがないので、単行本『マジカルブレード小夜』を見る。なんと、戦国時代の魔法少女という、物凄く斬新なお話。
小夜ちゃんは、私より3つ年上の15歳なのに、
『マジカルブレード小夜』の見所は、なんと言ってもアクションシーン。細かい剣捌きや、足の踏み込みなどが鮮明に書かれていて…………
………………気が付けば、雀の鳴き声が耳に入って来た。
「おはよう、お母さん」
「桜桃おはよう。……どうしたの? 眠たそうな顔をして」
キッチンにはエプロン姿のお母さんが立っていました。腰まで伸ばした桃色の髪。琥珀の様な綺麗な目。私は良くお母さんに似ていると言われます。
「昨日寝付けなくて……」
「飲み物はミルクティーでいい?」
「うん」
お母さんが作る暖かいミルクティーは、少し甘めで紅茶の香りが程良く鼻を
「そう言えば、お父さんは?」
「昨日、酔っ払いに絡まれて、遅くまでお酒を飲んでたの。二日酔いでダウンしているから、起こさないであげてね?」
「うん」
朝食を終えると、赤いランドセルを背負う。
「行ってきます」
「気を付けてね」
今日も元気に学校へ向かう。……けれど、ちょっと眠たいかも。
「おはよう桜桃ちゃん」
「おはよう……水奈ちゃん」
「今日は、凄く眠たそうね?」
「うん、昨日なかなか寝付けなくて……」
「食べる? 『覚める妖刀飴』」
「なにこれ?」
大河アニメ『駆ける妖刀』のキャラクターが書かれている袋入り飴だった。『とらじろうもびっくり! 目が覚めすぎて首も取れる!』が謳い文句みたいです。
「とらじろう好きだね。水奈ちゃん」
「首が取れるシーン。最高に格好良かった……やっぱり私には、とらじろうしか居ないわ」
格好いいシーンだったのでしょうか? 私には、とらじろうの魅力は解らない。
一つ飴をもらって、袋を開けてみると、物凄い緑色していた。口に入れると、ツンとした、香味が鼻をむずむずさせ、舌に刺激が走る。ていうか辛い!
「……辛! なにこれ!?」
「
ええ!? 飴と合わない……でも、この辛さは眠気覚ましにはよさそう。……辛い。
「眠たくなったら、舐めなよ? はい」
そう言って、もう一つもらいました。でもこの味はちょっと慣れないかも。また眠たくなったらでいいや。飴をスカートのポケットに入れる。
飴のおかげで、すっかり眠気も飛んだ所で学校へ向かう事にする。
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