第2話

「あぁ、どうしてこんなことに…」


目を覚ましたボクは頭を抱えていた。

転生は断ったのに、記憶を封じて勝手に転生させられていたようだ。

その証拠に前世の記憶が蘇っている。

しかも、おまけのチートまで付けられている。

ボクのギフト生まれもったスキルである[魔導王]はどう見てもチートだって性能だからだ。


まず、この世界[アーズ]には魔力が存在する。

そして魔力は魔法の発動や生命の活動そのものに使用され世界中に濃い薄いの差はあれど存在している。

ちなみに、生物、無機物に限らずアーズに存在する物質は基本的に魔力を持っている、人間もそうだ。

そして、人間の魔力は種族ごとの差はあるが同じ種族ならば一定であり一生増えることも減ることもない。


それならなぜ、[魔導王]がチートなのかいうと世界に存在する魔力を自在にコントロールすることができるというスキルだからだ。

このスキルがあれば魔法は使い放題で、魔力切れ(体内の魔力を使いすぎると起こる現象で生命にかかわることもある)を起こす心配もない。それどころか触れた相手の魔力をコントロールして強制的に魔力切れを起こさせたりもできる。


このスキルはできることが多過ぎて何ができるのかまだ把握できていないくらいで正直いって、持て余していた。


そして、蘇った前世の記憶に断ったハズの転生だ。

長命種で1000年生きるというエルフ族に転生したおかげで既に200年近く生きてきたからうまく前世の記憶を飲み込めたものの、普通に人族とかに転生して20歳とかで記憶が戻っていたらと考えると恐ろしくなる。

前世も20歳くらいまで生きていたみたいだから、二つの記憶と人格が混ざって二重人格とか下手すると精神崩壊とかになっていてもおかしくない。


本当に転生なんてろくなものじゃない。

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転生は拒否したはずだよね? @mifull

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