第七話 初めての戦場???
ここは
太陽がギラギラしている。たどり着くなり、佐太夫は鷲のように尖っているはずの目を丸くさせて「.....なんだここ?」とどんよりとツブヤくように言った。
右横にいる幸隆は少し前方にそびえ立つドデカい山に立っている海野口城を見ると謎のドヤ顔をかまして「ここは戦場だ」と悠然と言うのであった。
佐太夫は首を右に傾けて「ただの草原だよな?」と少しと言うには生易しいほどに引きつった笑いで幸隆をみると、その幸隆はあからさまに、その視線をかわした。
それから、幸隆は不気味にケラケラと笑いだすと「......そうかもしれない。元気だせよボケチビ」と歯切れの悪い声をだしたのであった。
佐太夫は再び目を点にしたあと、血みどろでオビタダシイ量の殺気をだした。しかも、その目は全くもって笑っていない。震える声を発しながら「ん?俺は元気だぞ!!ここはどこなんだ???」と落ち着きのない彼には珍しいタンタンとした声で言うのであった。
幸隆は冷や汗を沸き立ての温泉のように流しながら、なんでか少しかっこをつけた表情をして「もう、戦いは俺たちが来る前に終わっちまったようだ」と不気味にクスクスとクスクスと笑い出した。
佐太夫はドカンと目をつり上げると血相を変えて「はぁ!!すっとこどっこい戦法だな!!。卑怯者の卑劣漢め!!!」と大声という名の爆裂音とともに火山が噴火したようにドカンと怒りだした。
あの佐太夫に怒られた幸隆は第三者が見たら笑ってしまうほど、わかりやすく、あっという間に開き直り「ボケめ!!。めでたぇじゃねぇか!!!それだけ、海野軍は。
すると、突然一人の兵士が、そのありえない大声に反応したのか、どこからともなく出現して「なにやつ!!」と飛び掛かってきた。たちまち佐太夫はそれを殴り飛ばすと、兵士は近くにあった岩にぶつかり気絶してしまったのだった。
突然の出来事に、その目つきの悪い御目々をパチクリさせる幸隆をしりめに、佐太夫はヘラヘラして「ワンパンで気絶って弱すぎるだろ。チンチンついてない可能性があるな!!」とニッコニコ笑って言ったのであった。
数秒時間がたつと、幸隆の顔に変な汗がドバドバと流れ、青ざめた表情をしたのち「なにしてやがるんだ!!ボケ!!そいつら味方の兵士だぞ!!」と大声を張り上げた。
佐太夫は驚くほど冷徹な無表情で「え!?知らねぇよ」とサラリと言った。
幸隆は驚きのあまり「ええぇぇぇぇぇぇぇ!!。テメェの頭、狂いすぎるだろ!!!」と火山が三カ所ほど同時爆発したかのような大声を発狂させるようにだしてしまった。
その発狂した声に引き寄せられたのか、後ろから十数名ほどの兵士が「なんだ、アイツら!!」と押し寄せてきた。
佐太夫は悠然と「いーー-っぱい兵士がきたぞ!!コイツら全員黙らせるか!!!」となおもヘラヘラ笑う。これはもはや狂気の沙汰としか思えない。立ち向かおうとする佐太夫。それを見てあっけにとられる幸隆。このままでは二人とも仲間殺しの罪に問われてしまう。この絶体絶命で絶望的な状況の中で幸隆は地面にやや大きめの石があることに気づいた。
幸隆は考える間もなく、その石を佐太夫の頭にドカンとぶつけるのであった。
幸隆は見事、佐太夫を気絶させることに成功し、頭を持ち上げて彼の顔を見るとスゴク笑顔だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます