第12話
瓜二つの2人。わたしたちが互いに理解し、共有する言語。例えばそれは低音で、高音で、音ですらなく、波ですらない。
○
エネルギーが生まれ、消えていく。
何事も初めてがある。
わたしも初めて果実をかじる。あなたたちが果実と呼ぶそれをわたし達は果実と知らない。でも、それは果実だ。
目の前には古びて朽ちた機械があった。機械のかたちはツァオロンと同じか少し大きめ。わたし換算で30人分というところか。いつから鯨の体内にいるのかわからないけれど、もう動くことはないようにみえる。乗り手もきっともういないのだろう。
わたしはあぐらをかいてツァオロンに寄りかかり、眩しさから両手で顔を覆い続けていて、しきりに喉が渇いていて、目の前に転がる丸い物体から汁が流れていることに気づいて、それはもうどうしようもなく噛みついたのだった。
丸い物体は噛みつくと甘い水分が口内に広がり、口の端から漏れ、胸元を濡らし、くるぶしまでを汚した。尻を接するあたりから一帯は硬い平板のようでもあり、傾斜が所々にあるようにもみえる。そこここに乾燥していたり水気が滲んでいるような染みがあり、分岐したさまざまな突起物が疎らに足元から伸びている。それらは蹴ると揺れた。揺れると果実が落ちてくる。それ、わたし、齧って、中身飲む。
原始的な欲求を満たして、人心地がついて、わたしはわたしのツァオロンを見上げる。外面の多くはジゥゲイの歯に削られてすり減っていて、わたしは自分の身が
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