Deep sleep(深い眠り)
Doomを抱えたDyeは操縦室に入り、ボタンやレバーをガチガチと組み替えた。
「操縦できるのか……? ユニットといい……信号といい、まさか、パイロットだったりするのか」
Dyeは否定の形に首を振った。
「違ったか……」
デリシャス・メテオの自動運転では降りしきる雨から逃れられない。そうして地上へ到達する雨に打たれ、死ぬのだろう。意識の途絶える直前、Doomはふと、先生のことを思い出した。『死は誰にでも訪れる』。今まで数多の死を運んできたデリシャス・メテオが棺桶になり、運ばれる己はDoom。死を冠した名前の男が死に追いつかれる。示唆的で滑稽で、ひどい皮肉だ。Doomは笑えなかった。
彼は意識を手放した。
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